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客席放浪記

まっぴらごめんねえPart7 桃月庵白酒・春風亭百栄二人会

2018年4月24日
深川江戸資料館小劇場

 開口一番前座さんは桂竹もん『元犬』。落語協会の落語家ふたりの会に落語芸術協会の前座さんが入るって珍しくない? しかも今日のふたりにはそれぞれ前座のお弟子さんがいるのに。
 前座修行頑張ってね。

 桃月庵白酒の一席目は『馬の田楽』。小三治あたりがやると田舎のの〜んびりした光景が目が浮かんでくる噺だが、白酒だと噺の運びもスピーディ。耳の遠い老人が出てくれば、白酒得意の聞き間違いギャグも冴える。「んま(馬)見なかったかね〜」「ルンバは踊らんよ」。

 春風亭百栄の一席目は、私は久しぶりに聴く『天使と悪魔』。古典の天使と新作の悪魔の噺。新作をやり始めて間もないころの百栄、まだ二ツ目で栄助だったころにやっていた。結局、あのとき新作の悪魔が勝ったんだね。おかげで人気が出た。

 百栄の二席目は、これまた落語家ネタ『弟子の強飯』。とんでもない才能のある高校生に「弟子になってくれ」とやってくる協会のスカウトマンの噺。高校生の喋り方が三遊亭圓生っぼいのも可笑しい。
 聴いていて、百栄の作る落語って、ゲケとツッコミの関係というより、ボケとボケでボケ倒しながら進行する噺が多いような気がしてきた。それが噺を押し進める動力となり、笑いが増幅していく。あるいは、というより設定自体がそもそも異様なのかも。

 トリの白酒は『厩火事』。白酒の『厩家事』は去年の暮の『Wホワイト』でも聴いた。とにかくおかみさんがお喋りで騒々しくて、すべての原因はあんただと思えてくる。亭主も仲人も、ごくごく普通の常識人。とんでもないボケにおとなしいツッコミ。

4月25日記

静かなお喋り 4月24日

静かなお喋り

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