神田松之丞新春連続読み ゛畦倉重四郎完全通し公演”第四夜 2017年1月7日 レフカダ新宿 第九話『三五郎殺し』 第十話『おふみの告白』 第十一話『城富奉行所乗り込み』 第十二話『重四郎召し捕り』 あ〜あ、言わんこっちゃない。調子に乗って重四郎に金をせびり続ける三五郎。こうなるともう強請。重四郎は三五郎を連れ出して、鈴ヶ森で斬殺。鈴ヶ森は落語の『鈴ヶ森』でも盗賊、追剥が出る寂しい所。三五郎にもとどめをさすとき、「お前も消えるのか・・・」と呟く重四郎。ニヒリズムにゾクゾクするが、こいつは友達できないわ。というか、唯一の友達だったともいえる三五郎まで殺しちゃった。 三五郎と世帯を持った、元女郎のおふみは夫が帰ってこないので心配になるが、なにしろ放蕩者だった三五郎、どこかで遊びまわっているんだろうと相手にされない。 そんなある日、城富が、たまたま大黒屋に上がる。三五郎が偶然やってきたり、城富が偶然やってきたりって、この辺が日本のこの手の噺の不自然というかご都合というか、いつものこと。 まあとにもかくにも、これで城富と重四郎が点と線で結ばれたことになる。お待たせしました。 義太夫を学んでいる城富は、太棹の三味線を借りると、お座敷芸を披露する。三味線を弾く按摩ときたら、この部分は、舞台てでも勝新太郎にやってもらいたかったところ。 その夜、城富の相手をしたのがおふみ。おふみを気に入った城富は大黒屋に通い詰めることになる。 やがて城富はおふみと結婚。あ〜、三五郎はもう死んだと思ったのね。それにしても無節操な・・・。 おふみは三五郎から聞かされた、三五郎と、今では大黒屋の主になっている重四郎の昔の悪事を城富に打ち明ける。びっくりする城富。実の父の冤罪の真犯人はここにいる。 大岡越前に、真犯人は自分が捜すと大見得を切った城富。どんなに苦労するものかと思ったら、何もしないで。向こうから飛び込んできた。ひえーっ、安易すぎる展開。 慌てて大岡越前に会いに行く城富。大岡の首をよこせと迫る城富に、まだ調べは済んでいないと返す。おふみを呼んで事情を聞き、関東郡代伊那平左衛門に重四郎捕縛を依頼する。セクショナリズムの部分まで押さえた物語の作り方はキチンとしてますな。 大黒屋に十数人の団体客が泊まり込み、喧嘩沙汰が始まる。その仲裁に入った主人の重四郎を、実は泊り客に化けていた捕り方達が囲んで「ご用、ご用」。二階に駆け上がって刀を取り出し、暴れる重四郎。ここでも相手を何人か斬って死者が出る。 屋根に逃げると水や油をかけらけ、ついに地上に転げ落ちたところでお縄となる。 この大捕り物の立ち回り、派手で緊迫感があった。さすが若い松之亟は、こういう場面に勢いがあって面白い。 さあていよいよ明日は大岡のお調べが始まりそう。そして人物表にある気になる人物、奇妙院晴山も、ついに登場らしい。う〜、期待高がまる! 1月8日記 静かなお喋り 1月7日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |