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客席放浪記

第3回春日亭 桂宮治・神田松之丞二人会 後楽縁

2018年3月29日
文京シビック小ホール

 開口一番は春風亭かん橋『初天神』。短く飴玉のみで下りた。来月から橋蔵で二ツ目昇進。おめでとう。

 桂宮治一席目は『親子酒』。三日ぶりに酒を口にした親父さん、日ごろの不満をぷちまけるように協会(?)の事を独り言。「酔わなきゃ言えない!」って、何のことを話しているやら。アハハハハ。一方酔っぱらって帰って来た息子の方も落語界のあれこれを酔っぱらった勢いでブツブツ。いろいろと盛り込んだ『親子酒』。

 神田松之丞の一席目は『寛永宮本武蔵伝』から、武蔵が出てこない『吉岡治太夫』。『寛永宮本武蔵伝』は前座噺だそうだが、この『吉岡治太夫』は、かなり力が必要そうな感動作。尺も長いから、そうそう前座時代はかける場所がなかっただろう。「これからが面白くなるのですが、お時間」だったかも。

 仲入りを挟んでからの松之丞二席目は新作。松之丞の新作をナマで聴くのは今までは『トメ』くらいだった。今回は『桑原さん』を聴くことができた。『トメ』と同じく『桑原さん』は、なんとなく鯉八の新作の作り方に似ている気がした。イケてる小学生の男女のグループに、引け目を感じているイケてない男子児童たち。なかでも桑原という生徒の奇行を、学年ごとに綴っていく噺。小学生の部分だけで終わってしまったが、青春期とか成人してからの桑原さんをもっと聴きたいな。

 宮治はトリに季節の噺『花見の仇討ち』。おそらく遊雀から習ったものだと思う。遊雀よりも人物がみんな楽しんじゃってる感じ。この勢いの芸風は面白いけれど、もう少し押しと引きメリハリをつけると、もっと面白くな寝ような気がした。

3月30日記

静かなお喋り 3月29日

静かなお喋り

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