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客席放浪記

宮地大介 第三回単独公演
時雨銀二郎 第49回ひとり芝居『Break a leg.』


2014年10月26日
座・高円寺2

 少々ややこしいのだが、宮地大介が時雨銀二郎なるひとり芝居の役者に扮して『時雨銀二郎 第49回ひとり芝居 Break a leg.』という公演を行うというひとり芝居。作・出演が宮地大介で、演出が小宮孝泰。

 いわゆるイッセー尾形のような、いくつかのスケッチがあって、そのたびに違うキャラクターになるという構成。手が込んでいるのは、イッセー尾形だと舞台の横にドレッシング空間を作り、キャラクターが変わるたびに着替えをしている様子を観客に見せるということをするが、この舞台は、ひとつ終わると舞台の後ろの黒い幕が開けられ、そこに楽屋を模したセットがあり、そこでもひとり芝居が行われるのだ。時雨銀二郎には弟子の田所なる人物がいて、この男と話ながら着替えをするという構成。つまり一時間半程度の間、着替えの時間もひとり芝居を続けているというわけだ。

 最初が田所という時雨銀二郎の弟子のキャラクターがマエセツをやるというネタ。そのあとと一番最後が、路上ロックミュージシャンの話でサンドしている。また、ラスト近くに、もう一度、田所を登場させるというアイデアも面白かった。

 イッセー尾形を、もう少しコント寄りにしたものが多い。私が好きなのは、ラジオの旅番組のパーソナリティを演じた芝居。とてもありえそうにないブラックな番組なのだが、こんな番組があったら面白いだろうなぁ。またこの台本はよく調べているよね。小宮孝泰が特別出演して、ふたり芝居になっているのもアクセントがついていい。イッセー尾形が小松政夫とやるのにも似ている。

 これが三回目の公演だそうで、公演のたびに演出を別の人に頼んでいるそうだ。今回の小宮孝泰は自らひとり芝居もやっている人だし、かなり面白いものになったのではないか。なんともハイセンスな笑いの台本と、やや押しが強い演出。それが妙にマッチして、なんとも言えない面白いひとり芝居ができあがったように思う。

10月27日記

静かなお喋り 10月26日

静かなお喋り

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