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客席放浪記

宮元・落語の会2016

2016年2月21日
本駒込地域センター地下ホール

 携帯電話も通じない地下2階に、広くて立派な多目的ホールがあった。凄いぞ文京区。豪華すぎると批判もあった区役所もあるけれど、こういう設備も充実しているではないか。

 今年で11年目だという、毎年一回開催されている地域寄席。今までの出演者も、橘家文左衛門やら隅田川馬石やら春風亭一之輔らの名前が並んでいて、この主催者、なかなか落語にお詳しい方なんじゃないかと思う。そして今年、まだ二ツ目とはいえ三遊亭粋歌を持って来たり、浪曲でただいま売り出し中の玉川太福(だいふく)を抜擢するなど、この企画力は只者ではなさそう。

 三遊亭粋歌の一席目は『つる』。粋歌は新作派だが、営業では古典をやっていると聞いたことがある。実は私も粋歌の古典を聴いたのは今日が初めて。珍しいものが聴けた。

 浪曲の玉川太福を初めて聴くことができた。曲師は玉川みね子。まずは挨拶がわりに自作の新作浪曲から、『銭湯激戦区』のさわり。荒川区はいまだに銭湯の多いところだそうで、その各銭湯の特徴を浪曲にしたものだそうだ。これがとても面白かったので、もっと先も聴きたかったなぁ。続いて講談でも有名な演目『寛永三馬術〜愛宕山梅花の誉』。講談で聞き慣れた噺だが浪曲でやるとこうなるのか。それにしても玉川太福、いいではないか。いまや国本武春なき浪曲界。こういう希望がまだまだあったとは!

 仲入り後は抽選会。地元商店から景品が提供された。肉屋さんからはコロッケの引換券、お茶屋さんから茶葉の引換券、花屋さんから鉢植え。さらに本日の出演者の色紙も。う〜ん、クジ運の悪い私は今回も何も当たらず。

 粋歌の二席目は新作『コンビニ参観』。寄席サイズの短い噺。東大生で一流企業の社長の息子が、社会勉強のためにコンビニでアルバイトをすると、過保護の母親がコンビニまで付いてきてしまうという噺。この噺といい、この人の作る噺は目の付け所がいい。一席目に古典の『つる』を持ってきていたが、お客さんの受けもいいし、やはりこちらの方が粋歌には合っているんではないだろうか。

 三席目が再び『紀州』。これはいい噺を選んだ。古典といっても地噺。好きなことを自由に入れられる。鍛冶屋の鳴らす音を聞き違えるという部分で、両国の[デニーズ]でアルバイトしてたときのエピソードを入れた。日替わりランチがカツカレーの日があって、入ってきたお客さんが「今日はサーモンフライ」と言ったので「いえ、今日はカツカレーです」と答えたら怪訝そうな顔をされたと。これは「今日は寒いね」の聴き間違えだったとか。両国の[デニーズ]、今はもうなくなってしまったが、私も良く利用していた。ひょっとすると粋歌に会ったことがあったかも。

2月22日記

静かなお喋り 2月21日

静かなお喋り

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