直線上に配置

客席放浪記

ほのぼの村のなかよしマーチ

2014年10月21日
新宿 シアターブラッツ

 かわいらしい絵柄のチラシから想像されるのは、児童向けの童話の世界。でもこれはあのシベリア少女鉄道の公演だ。そんなものをやるわけがない。チラシの裏には「最っ低・・・!」とツバを吐いている少女の絵が。しかもご丁寧なことに「未就学児童入場不可」という但し書きまで書いてある。子供向けの作品だと勘違いして入って来る人対策なのか? そんなところにも冗談を感じる。

 舞台はどこか森の中。可愛い少女姉妹が隣村のおじさんのところに、おばあさんに頼まれてラズベリーパイを届けに行くところ。森の花も野菜も動物たちもみんな仲良しお友達。途中、どこかの国から遊びに来ているお姫様に出会ったりして、そのお姫様とも仲良くなったりする。

 いかにも児童向けのお芝居で、わざとらしい台詞回しや演技が続いて行く。こりゃあそろそろなにか始まるなと思い始めた、上演開始20分を過ぎたあたりで、舞台裏で妙な台詞が聞え出す。今行われている芝居には似つかわしくないような台詞と喋り方。

 と、突然舞台奥と手前を仕切っていた背景の幕が落ちる。そこにあったものとは・・・、そしてそこで繰り広げられていたものとは・・・。

 いやあ、こういう芝居は、このアイデアがキモになるわけだから、この先は書けません。1時間35分ほどの上演時間だったが、このネタを割ってから先、けっこう笑いましたね。でも、このまま続いていくとちょっとくどいなと思い始めたところで、もうひとひねりあった。

 シベリア少女鉄道の芝居は、拍手を拒否するような終わり方をすものが多い。当然カーテンコールなしだ。今回もカーテンコールなしだったが、拍手は今まででも一番多かったくらい来た。

 帰りに出口で、今回の公演チラシの絵をクリアファイルにしたものをいただいた。中に挿入歌のダウンロード・アドレスが書かれた紙が入っていたので、帰宅して落とした。芝居の最後で歌われたもので、よく歌詞が聞き取れなかったのだが、ほんと、この歌もバカやってる。これだけ聞いただじやぁ、それほど面白くないのだが、舞台を観た後だとやたらと笑いが込み上げてくる。

 次回は来年4月だそうで、さて次はどんな手で来るのやら。

10月22日記

静かなお喋り 10月21日

静かなお喋り

このコーナーの表紙に戻る

トップ アイコンふりだしに戻る
直線上に配置