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客席放浪記

ななめ45°単独ライブ Funky Juice

2014年7月13日
中野・Hope劇場

 先週、こまつ座の『てんぷくトリオのコント』を観て、なんだか懐かしいなぁと感じてしまった。思い出してみると、日本のコントグループって、トリオってのが案外いるんですよね。私らのころだったら、てんぷくトリオに、トリオ・ザ・パンチ、ナンセンス・トリオの時代だった。それからコント赤信号が出てきたりして。そのあとコントはコンビが主流の時代になるのだけれど、よく考えれば、東京03がいて、我が家がいて、鬼ヶ島がいて、インスタント・ジョンソンがいて・・・と、けっこう豊富じゃん。ななめ45°も、そんなトリオ・コントの一組。2000年の結成だそうだから、キャリアもけっこうある。オンバトでもよく見かけていて、面白いコントをやるなぁと思っていた。

 Trio De Carnival と名付けた年に一度の単独ライブの十回目だそうだ。一時間半ちょっとあったが、中のコントを例によって、私が勝手に題名を付けると、『文句多いよ!』『マジックバー』『腹痛』『ディベロップマン』『カラオケ屋三部作〜アニキのカラオケ・おしほりアート・先輩に捧げるカラオケ』『惚れ薬』。

 ツッコミ役の土谷を除くと、ボケの岡安と下池がポッチャリ体型。『ディベロップマン』における、スーパーヒーロー対ダークヒーローの闘いは、どちらもスペックが透明人間になれること。ただし透明人間になるには服を脱がなくてはならない。透明人間同士の両者は闘おうとすると相手が見えない。仕方ないので姿を表すと裸同士。しかもふたりともが腹が出ていて、とてもヒーローとは思えない体つき。それを隠そうとする土谷が可笑しい。

 とにかく、岡安と下池に翻弄される土谷というパターンが確立されているのが、このトリオの強み。『文句多いよ!』も自動車整備工場の先輩土谷が、何回も同じミスをする下池に説教しているところに岡安が現れ、下池の至らなさをさらにあげつらったあとに、庇いだす。と、それがそのうちに土谷への文句にすり替わっていくというコント。この゜三人の位置づけがうまいよなぁ。

 『マジックバー』も、岡安のマジックバーにやってきた土谷。ところが、手品を見せてくれるものだと思っていたら、最初からタネを割ってしまうといった、変なマジックバー。岡安に翻弄される土谷だが、もっと不思議なのは、その場にいる女性(下池)。名前も秘密、店の人間なのかも、はたまたお客さんなのかもわからない。いや、だいたいからして女かどうかもわからない。岡安に問いただしても、まったく教えてくれない。ここでも岡安に翻弄される土谷だが、それよりさらに上に下池がいるという二重構造。これがもう狂気の世界になって行くんだよなぁ。

 一番面白かったのは、『カラオケ屋三部作』なのだが、この可笑しさをうまく表現できない。DVDが出たら欲しくなっちゃいそう。是非、DVDで確認してほしい。

7月14日記

静かなお喋り 7月13日

静かなお喋り

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