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客席放浪記

成金

2017年2月10日
ミュージックテイト

 成金のホームグラウンドとも言える、CDショップ[ミュージックテイト]での落語会。お客さんが30名ほど入るといっぱい。しかし落語って、このくらいの狭さが一番面白い。

 柳亭小痴楽は、最近行われた成金メンバーの東北、九州ツアーのことをマクラで楽しそうに語る。
 ネタは『湯屋番』。若旦那の妄想のなかに出てくる女性が色っぽい!

 さんざん小痴楽にマクラでネタにされた神田松之丞。明日は桂雀々の会に出るとのことで、雀々は動物がらみのネタ二席(猿後家、池田の猪買い)ということで自分も動物がらみの『宮本武蔵 狼退治』か『天保水滸伝 鹿島の棒祭り』をかけようということで、稽古のつもりでと『天保水滸伝 鹿島の棒祭り』。この噺のクライマックスには、団子売りのおばあさんと犬が出てくる。実は緊迫した場面なのだが、その緊迫感に、おばあさんと犬のユーモラスな場面が交錯する。松之丞の犬ばあさんと、可愛い犬がなんとも楽しい。

 桂宮治は、新しく買った高額の雪駄の話がマクラ。ここでも松之丞がらみの話。可笑しい可笑しい。
 そしてネタは『棒鱈』。勢いで引っ張っていく人だから、こういう噺は面白い。

 トリは瀧川鯉八。成金の九州ツアーは、鯉八が『長崎』という噺を作ったから、これを長崎でやりたいという思いから、ネットで広がって実現したものだそうだ。
 というわけで、今日はその『長崎』
 墓参りしている女性。連れ合いはもう死んでいるらしく、彼との長崎旅行の思い出話が始まる。その彼は元カノと一度長崎に来たらしく、元カノと行った場所にばかり彼女を連れて行ったらしい・・・。
 現在→過去→未来と、時制が変わっていく鯉八らしい不思議落語なのだが、それさえスッとわかれば面白い。今まで鯉八の落語の面白さを今ひとつわからないでいたが、これは鯉八流の新しい形の落語の傑作と言っていいと思う。

2月12日記

静かなお喋り 2月10日

静かなお喋り

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