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客席放浪記

第118回人形町寄席

2017年11月17日

 入場無料ということもあるのだろうが、だんだんチケットが手に入りにくくなっている会。今回は「急に行かれなくなった」という方のご厚意でチケットを譲ってもらうことができた。
 今回はレギュラーの三木男が、名を五代目桂三木助と改め真打昇進したので、口上も組まれている。

 サラ口は瀧川鯉橋『元犬』。めでたい化ける噺として持ってきたようだが、この噺は鯉橋がもともと得意としている噺。サプタイトルがソフトバンク犬のおとうさん由来。安定しているね。

 桂文治は『短命』だが、この日の縁起をかついで演目表記は『長命』。隠居さんの話を聞いて帰ってくると、おかみさん、「このハゲー、違うだろ違うだろ! ♪どうしてこんなことばかり起こるのかな〜」。はては「ビール瓶で殴ってやろうか!」。時事ネタ満載。

 口上は鯉橋が司会役。
 文菊「彼とは前座時代の楽屋仲間でして・・・。彼は偏食がひどくて、野菜も魚もダメ。肉ばかり食べてました。てすから主食はいつもマクドナルド」
 文治「三木助は大きな名前ですから大変なプレッシャーでしょう。そこへいくと私の文治という名前は大きな名前でありながら私はまったくプレッシャーがありません。なぜなら先代もあまり噺がうまくなかったから」。いいのかね〜、そんなこと言って。
 今日は高座のなかった橘家蔵之助。「彼を使ってあげてください。ギャラはいくらでも行くそうです。500円でも! (三木助が勘弁してくださいと手で合図すると)・・・580円からでお願いします」。

 古今亭文菊は、博多天神落語祭の取りまとめ役三遊亭円楽を持ち上げたあとで、円楽の不倫騒動の話題から『紙入れ』へ。

 トリは当然、桂三木助。おそらく披露興行中も何度もかけたのであろう『宿屋の仇討ち』。しっかりした話し方できれいな『宿屋の仇討ち』だが、これにもう少しそれぞれの人物のキャラが立ってきたら、もっと面白いものになりそう。期待してます、五代目。

11月18日記

静かなお喋り 11月17日

静かなお喋り

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