直線上に配置

客席放浪記

ワンコイン寄席

2014年11月6日
神田連雀亭

 先月オープンした神田連雀亭。その平日昼の部のワンコイン寄席に行ってきた。鈴本の早朝寄席、末廣亭の深夜寄席と同じく二ツ目の会で500円は同じだが、ほかが出演者4人に対して、こちらは3人。しかし小屋が圧倒的に小さいから観やすいし親近感がある。

 三遊亭日るねが出てきた途端に、その場で転んでしまった。客席は大爆笑。段差でもあったのかと思ったら、そういうわけでもなさそうだ。これでツカミはできたからいいのかもしれない。高座に座ってからは、マクラで落語家になってからの失敗談の数々を語りだした。どうもそそっかしいのは地で、天然らしい。この人は存在自体が面白いなぁ。ひょっとすると大物になるかもしれない。噺は『狸の札』。狸が実にかわいい。これは女性でないと出せないかわいさ。

 柳亭明楽『桃太郎』は凄いな。なかなか寝ない子供におとぎ話をきかせてやろうとする噺だが、このお父さん、寝ている子供をわざわざ起こして桃太郎の噺を始める。子供も只者ではない。普通このネタの子供は理知的で親をやり込めるわけだが、おっかない子供なの。そしてそれ以上に父親がバカ。『桃太郎』というネタをぶっ壊してしまっているのだが、これがなんともやけに面白い。こういうの好きだな。

 トリは三人の中で一番若い古今亭始。日るねの失敗談はそれだけじゃないと、さらに火に油を注ぐ、日るねの失敗談エピソードを次々と。客席を暖めておいて『粗忽の使者』。この人は噺がしっかりしているね。ビシッと決めてお開き。

 三人で一時間で終わる寄席。気楽に暇なときにフラッと入って三席聴いて帰る。いいね。またちょくちょくこようかな。

10月7日記

静かなお喋り 11月6日

静かなお喋り

このコーナーの表紙に戻る

トップ アイコンふりだしに戻る
直線上に配置