第10回落語協会大喜利王選手権 2016年4月29日 池袋演芸場 幕が開くと、狭い池袋演芸場の高座に21人の出演者と司会の橘家文左衛門がギッシリと上がっている。ギッシリなのは高座の上だけではない。客席もギッシリ。かなりの立見が出る大入り満員。 まずは予選グループ分け。トランプの、ハートを引いたのがAグループ、ダイヤがBグループ、スペードがCグループ。ジョーカーを引いた人は、全グループ予選に参加するというルール。 その結果、 Aグループは、足を骨折してギブス状態のロケット団三浦を筆頭に、神田茜、恩田えり、春風亭百栄、柳家緑太、五明楼玉の輔、柳家わさび。 Bグループは、春風亭一蔵、月亭太夫、ロケット団倉本、柳家一琴、林家きく麿、三遊亭歌武蔵。 Cグループは、柳亭市弥、三遊亭丈二、柳家三三、柳家花飛、三遊亭歌る多、柳家喬之助。 ジョーカーは柳家小せんと決定。 なぜかBグループには重量級ばかりが集まってしまい、軽量級の倉本と小せんが挟まれて窮屈そう。 Aグループは、今までも出続けて珍回答を量産しながらも、ほとんどが下ネタで優勝を逃してきた玉の輔が、「今度こそ優勝を狙っている」と宣言。おおっ、いよいよやる気モードに入ったなと思わせておいて、相変わらずの下ネタ続出で笑わせる。それに名手小せんが上手い回答を入れ、そこに伏兵わさびが、きれいな回答を続出。 Bグループは歌武蔵、一琴、倉本の白熱したバトル。三問目の「文蔵襲名突如中止。いったい何があったのか?」で文左衛門への悪口大会になってしまい、収集がつかなくなっしまい、文左衛門により強制終了。 Cグループは、古典の継承者とみなされて、大喜利なんてやりそうもない三三が、意外とこういうものも強いというところを発揮。それに丈二が果敢に食い込む。さらに花飛がなにやら言葉を噛みまくる上に不思議回答キャラとしても笑わせる。 敗者復活戦などもあり、決勝戦は10人。二ツ目ながら、きれいな回答を連発するわさびに、玉の輔が「優勝狙ってるな」と突っ込む。その玉の輔は相変わらず下ネタばかり。即席で食べ物が入った都都逸を作れなんていう難問は、ちょっと無理だろうと思いのほか、みんな次々と回答を出していく。 テレビの『笑点』なんかと違って、みんなその場で問題を聞いて即興の答えを出すのだが、ここに出てきた人たちというのは自肩が強いというか、やはり常人じゃない。 文左衛門の判定により、第10回の優勝は初出場の柳家わさび。 ゲラゲラ笑いっぱなしの2時間半。頭を猛スピードで使う出演者はさぞ疲れたろうが、こちらも笑いつかれた。 4月30日記 静かなお喋り 4月29日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |