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客席放浪記

第29回大演芸まつり
連合特撰会 演芸界!若手!中堅!大御所勢揃い1


2018年5月9日
国立演芸場

 丸一小助・小時の太神楽。
 コンビでの太神楽って、師弟コンビという組み合わせが多いが、若いふたりというのは珍しいね。

 好田タクトの指揮者形態模写。
 最近やっている指揮者ラジオ体操のネタから。そしてジェームズ・レヴァイン、朝比奈隆。もとの指揮者を知らなくても楽しい。

 一龍齋貞花の講談は『政宗堪忍袋』。参勤交代で江戸へやってきた伊達政宗の接待を仰せつかった旗本連中。政宗を殴ってやろうとの相談。名乗りをあげたのが兼松又四郎。廊下で政宗の刀が頭に当たったと難癖を付け、いきなり政宗を殴った。ぐっと我慢した政宗、あとから兼松に曽我兄弟の噺を持ち出す。

 藤本明義のマジック。お客さんを舞台に上げて、一瞬でルービックキューブが揃うマジックや、食パンにお客さんが選んだジャムを一瞬で塗るマジックなど。鮮やか!

 澤孝子の浪曲『唐笠桜』
 金に困って桜の木で首つり自殺をしようとした男。そこに侍と芸者らしき人影。ふたりは心中をしようとしている。死骸は見つけた人に後始末を頼もうと百両の金を置くところを見て男は木から落ちてしまう。びっくりしたふたりはどこかへ消え、百両だけが残る。男はその金で借金を返し、店を出す。そしてあのときの心中者を捜すようになる。
 曲師は佐藤貴美江。私は最近になって浪曲を聴きだしたが、今まで聴いていた沢村豊子や玉川みね子と較べると音の入れ方が独特。まだ若い方で感性が違うのだろう。若々しい三味線。

 大木凡人の漫談。
 司会者漫談というのだろうか。普通の漫談とはまた違った味わい。

 新山ひでややすこの夫婦漫才。
 芸恊の寄席で見かけるコンビ。最近はひでやのつけているカツラのネタが中心になったようだ。ひでや、思い切ったね。客席で笑いが止まらない女性がいた。

 トリは三遊亭金馬『品川心中』。89歳。脚はだいぶ弱ってきているようだが声はまだしっかりしている。寄席で十日間のトリはもう厳しいだろうから、こういう形で聴ける機会は貴重。

5月10日記

静かなお喋り 5月9日

静かなお喋り

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