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客席放浪記

プレオープン! ycs南新宿寄席

2015年4月5日
y−valleyビル2階 南新宿亭

 小田急線南新宿駅のすぐそばにあるオフィスビルのオーナーさんが、日曜日の昼間を使って、共用部分に当たるロビーで落語会をやりたいとのことで、鯉朝さんが一肌脱いで、とりあえず始めてみようという落語会。昔は落語会をやる場所が限られていたが、落語会なんて、とりあえず座布団ひとつあれば、どこででもできるイベント。こうやって、どんどん落語会が増えて行けば、落語家さんだって勉強の機会が増えるし、いままでナマで落語を聴いたことなんて無いという人も、気軽に耳にすることができるし、まことに結構。この会が軌道に乗るといいなぁ。

 開口一番前座さんは瀧川鯉佐久『新聞記事』。前座修業、頑張ってね。

 瀧川鯉朝の一席目は、マクラでこの落語会を始めた経緯を説明して客席を和やかなムードに持って行く。そこから最近の歴女といわれる、歴史好きではなくて、戦国時代の武将になぜか、萌え〜になっている女性をからかいながら、得意ネタ『荒大名の茶の湯』。この人の、鉄板で笑いが取れるネタ。何回聴いていても可笑しい。

 ゲストが柳亭左龍。協会は違うが鯉朝とはほぼ同期だそうで、左龍が見た前座、二ツ目時代の鯉朝のエピソードを語ってみせたのだが、いじられキャラの鯉朝ということもあって、マイナスイメージのエピソードばかり。袖で聴いていた鯉朝さん、堪らず「あなたゲストなんだから、もっといい話してよー!」。噺は『鹿政談』。これは一昨年の暮の、さん喬一門会のときにも聴いたな。どうやら得意としているネタらしい。確かにキッチリと安定していて隙が無い。これも鉄板を持ってきた感じ。

 仲入りがあって、瀧川鯉朝のトリ。失恋経験話でも有名な人だが、とにかく恋愛はぶつかっていけという考えらしい。「失恋話ならいくらでも話しますが・・・」と言いながら、失恋話だけじゃ落語会にならない。ネタ出ししていた『宮戸川』に入る。最後に来て、実はすべて、お花の陰謀だったという仕掛けの恐ろしい噺に変化してしまう鯉朝バージョン。本当はもっとエロチックになるはずが、客席にお子さんがふたり。ということで、ほどよいエロスなー席に仕上げておりました。こういう会では、その程度がよろしいようで。ブラック鯉朝を聴きたければ、トンデモ落語の会に行けばいいんだから。

4月6日記

静かなお喋り 4月5日

静かなお喋り

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