鯉朝の落語会 一門様ごあんなーい 2016年2月26日 お江戸日本橋亭 W開口一番、前座さんは春風亭べん橋『寄合酒』と、春風亭昇羊『初天神』。前座修業頑張ってね。 ポッチャリした体形で愛嬌のある瀧川鯉丸。二ツ目になって十ヶ月。生まれ故郷の横須賀のマクラが楽しい。噺は『松山鏡』。 鯉昇門下、四番弟子にあたる春風亭傳枝。柳昇死後、鯉朝が2003年に鯉昇門下に移籍してきたことに伴い、香盤の関係で鯉朝が一番弟子になり、以下繰り下がり、傳枝は三番弟子から四番弟子になったといういきさつがある。その時点で四人いた鯉昇の弟子たちは鯉朝(当時春風亭昇輔)のことを、外様と呼ぶようになったそうだ。「あるときスナックで、うちの師匠鯉昇、春風亭小柳枝師匠、鯉朝兄さんと飲んでいた時、兄さんに『何言ってるんだ、この外様』と言ったら、三人が一斉にこちらを向いたことがありました」。小柳枝は四代目春風亭柳好から五代目春風亭柳昇門下に移籍、鯉昇は八代目春風亭小柳枝から五代目春風亭柳昇門下に移籍。外様師匠がズラリ揃っていたわけだ。噺は『湯屋番』。 今日の主役瀧川鯉朝の一席目は『子供の置き泥』。タイトルどおり『置き泥』の子供版。泥棒が家に忍び込んでみると、子供がたった一人いるだけ。両親ともおらず、明日食べるもののあてもないと言って、逆に泥棒から金を貰ってしまう。サゲがなかなかに秀逸。なるほど〜。 浜松に生まれの瀧川鯉昇。小学生の時に東京オリンピックの聖火ランナーが浜松を通過するいうので、街をあげて旗を振って沿道で応援したというエピソードを語るマクラ。同世代の私には懐かしいし面白い。噺の『武助馬』がこれまた楽しい。 仲入り後、ヒザは鏡味味千代の太神楽。五階茶碗、ふたつの毬を挟む縁結びの毬では、「自信がないので・・・」と、たてものを握って神経を集中させるために五郎丸ポーズ。 鯉朝、トリは今日がネタおろしの『シウマイ仁義』。元、横浜のヤクザの親で今は思うことあって僧侶になった男が語る、シウマイ弁当の奥深い世界。シウマイ弁当は宇宙を表しているものであり、五つ入ったシウマイはそれぞれ両親、兄弟、友人、社会を意味している。ほかのオカズも蒲鉾の赤は春を表し、玉子焼きの黄色は黄葉の秋、マグロの煮ものは冬、そしてバランの青が夏を表す・・・。そうか、シウマイ弁当にはそんな意味が込められていたのか! ハハハハハ。今度から心して食べ投げれば。 2月27日記 静かなお喋り 2月26日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |