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客席放浪記

2012年3月4日モダンスイマーズ『ロマンサー 夜明峠編』(三軒茶屋・シアタートラム)

 三部作になるという芝居の第一部。客演陣の中で、ひと際目を引くのが石田えり。チラシの写真でも他の出演者が、黒の野暮ったい服を着ているのに、石田えりだけが赤のドレス姿。実際に芝居の中でも石田えりは山奥に住む家族の母親役で、内容的にも主役。集団劇のような内容だが、観ているとやっぱり石田えりの役を中心にして作品が展開している。

 山奥で静かに暮らす家族。母親であるヒサノ(石田えり)と三人の子供たち、コロク、シンタ、タケ。そこに麓に住む人たちがやってくる。人食い熊が出たので、熊狩りにやって来た一団。ヒサノは、熊は大丈夫だからと主張するが、麓の人たちは納得しない。ここを根城にして、連れてきたマタギに熊を仕留めさせると言う。こうしてヒサノたちと麓の人間たちの共同生活が始まる。一見それだけの事のようだったのが、実は双方の人物に関係のある者ばかりだという事が見えてくる。

 物語としては割と古風。最初は見えなかった因縁が次々に明らかになっていくにつれて、この場所に集まってしまった事からの悲劇が起こっていってしまう。

 正直いって、一回観ただけでは盛り込みが多すぎる感じで、理解できなかったところもあって、もう一度観たかったところだが残念ながら千秋楽。これが三部作として、どう繋がっていくのか気になるところ。次も観たい。

3月5日記

静かなお喋り 3月2日

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