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客席放浪記

竜小太郎 新春ゆめまち華舞台

2015年1月2日
浅草六区ゆめまち劇場

 滝小太郎のショーは過去二回観ている。2006年三越劇場での『緋牡丹慕情』(映画『緋牡丹博徒』第一作)、翌2007年浅草大勝館での『緋牡丹博徒 お竜参上』。どちらも石橋雅史さんがご出演されているので観に行った。石橋さんの舞台にしか興味が無かったから、第一部の芝居だけ観て帰ってきてしまっていた。でも今回はどうせ暇だし、芝居以外も観てやろうというと思った。

 芝居は10日替りで演目が変わるそうだが、どんな芝居をやるのかどこにも出ていない。さて、何が始まるのかと思っていたら、ジョージ秋山の『女形気三郎』。どうやら映画にもなったらしいのだが、私は原作のマンガも映画化されたものも観ていない。竜小太郎が早変わりで何役も務める。一時間ほどの芝居だが、どうも原作から二話分くらい持って来て脚本にしたらしくて、話がややゴチャゴチャしてしまっているのが惜しいかな。過去二回観たときの長門勇のような役回りは堤大二郎が変わって受け継いだ感じ。

 15分ほどの休憩の後に、第二部歌謡ショーに突入。綾小路きみまろならぬ綾小路ぼくまろに扮した小太郎が漫談のようなものをやって盛り上げ、堤大二郎を呼び出す。堤大二郎といえば元アイドル。デビュー曲『燃えてパッション』を歌う。続いて小太郎とふたりで藤山一郎の『浅草の唄』(映画『浅草の坊ちゃん』主題歌)。そのあと小太郎が自分の持ち歌である『男女(みな)の川』、『瞼の母』、『どんでん返し』を歌ったのだが、びっくりしたのは客席のおばさま方が続々と小太郎に紙袋に入ったプレゼントを渡していくこと。その数たるや、いったいいつまで続くのやらと思うほど長い。こういう光景を見たのは初めてだからびっくり。

 第三部が舞踊ショー。これがまた想像していたより長くて一時間近くあった。基本的小太郎ひとりで踊るのだが、一曲踊ると舞台袖に引っこんで、次の曲のイントロ部分が終了するまでに早変わりで着替えて出てくる。それに集団での踊りがときどき入る。流れで舞台後方に衝立を置き、そこでの早変わりなんていうのは序の口。集団の中で踊っていてクルリと回った瞬間に着物が変わっていたりする。圧巻だったのは、四方から小太郎の頭上に大量の金色の紙ふぶきをドサッと落し、その紙吹雪が床に落ち切った時にはもう着替えているという驚きの演出。もうマジックだよ。この舞踊ショーでも、途中『川の流れのように』に乗って客席に降りていくと、各席を回る。するとまたおばさま方が小太郎の着物に祝儀袋を差し込んで行くのだ。う〜ん、おばさま殺し、流し目のスナイパーってこれなんだ。

 ハネてからも小太郎含め出演者全員で、ロビーでのお見送り。希望者には1000円で小太郎とのツーショットが撮ってもらえるサービスがあって、これも長い列が出来ていた。

1月3日記

静かなお喋り 1月2日

静かなお喋り

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