客席放浪記

2012年9月11日月例三三独演（イイノホール） 　開口一番は春風亭正太郎。「大阪へ行きまして、甲子園で高校野球を見ようと歩いて行ったら道に迷ってしまいました。『甲子園に行くにはどうしたらいいですか？』と人に聞いたら、『そら、ニイちゃん、日々の練習や』。ネタは『棒鱈』。 　柳家三三一席目は『真田小僧』。途中で切ることが多い噺だが、最後までキッチリ。子供がかわいげないなあ。お父さんが留守中に、おかあさんのところへやってきた男性の話をするのに、やたら気を持たせる。「聞きたくないの？」「聞きたかないけど話したかったら話せ」って、まるで『天狗裁き』。「父ちゃん、正直に言った方がいいよ」「聞きたいよ」。フハハハハ。主導権握られちゃってるよ。「青空の下、元気よく」遊んでいる子じゃないやね。お金取られても父親は「切れ場作りやがって、金取って・・・でもなんだか爽やか」 　二席目は、海外旅行のマクラを入れ、旅するふたりの男から『万金丹』。内容は乱暴な噺だけど、これもキッチリと。 　仲入り後は『死神』。布団クルリと半回転でまんまと死神を出し抜いた男、「どうしてあれを早く思いつかなかったかね。あれなら世間の金はみんなオレのもの」　この能天気さがいいね。サゲもとぼけていて可笑しい。 ９月１２日記 静かなお喋り ９月１１日 このコーナーの表紙に戻る

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