月例三三独演 新春公演 2013年1月17日 イイノホール 去年の11月に二ツ目になった春風亭一蔵。もともと噺の上手い前座さんだったが、二ツ目になって落語も自由になった感じ。『短命』もまさに自由奔放な語り口。 「(一蔵は)初々しさのカケラもないですね。芸協にも去年二ツ目になった桂宮治というのがいますが、どちらもキャバクラの店長か、風俗店の店員」と柳家三三。 今、いい二ツ目がどんどん生まれている。 一席目の『五目講釈』は、居候の若旦那が講釈師になる噺。『忠臣蔵』のはずが、なぜか『お富与三郎』になったり、『清水次郎長』になったり、果ては『男はつらいよ』になっちゃう。アハハハハ。 ゲストは三遊亭白鳥で『豊志賀ちゃん』。もともとは三三との会で『真景累ヶ淵 豊志賀の死』の改作として作られたものとのこと。主人公を三三ならぬミミとして、実在の噺家を多数登場させていることから、このミミちゃんバージョンはオクラにしていたそうだが、今夜久し振りに復活。白鳥も詳しい内容をインターネットに書かれる事を警戒しているようなので、ここには書かない。やたら暗い怪談噺の元ネタが、大爆笑篇に変わっている。 仲入り後が柳家三三の二席目。白鳥のことを妙なほめ方をして、「名人というものは、ちょっと変わったところがある」と左甚五郎噺『三井の大黒』。落語に出てくる甚五郎は、かなりの変人だが、三三の甚五郎はその中でも、ほんとに嫌な奴だという感じがする。いかに名人でも、こんな奴には関わりたくないなぁと思う。それでいてお決まりの最後で、作品が売れた代金を置いていくところでは、この甚五郎が、「案外いい奴かもしれない」と思うのだから落語って面白い。 宿の主人や店の人にお金を分配して、「この十両は、白鳥さんにもう少しまともな着物を作ってやってください」。作ってやっても着ないだろうけどね。アハハハハ。 1月18日記 静かなお喋り 1月17日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |