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客席放浪記

月例三三独演

2013年7月12日
イイノホール

 開口一番は柳家小太郎『お菊の皿』。すっかり人気者になったお菊さん、差し入れの稲荷寿司を食べて、ちょっと太って健康的になっている。やはり寝る前に、もの食べちゃいけないんだね。

 柳家三三一席目は『高砂や』。謡いを教えてもらうまでが長いヴァージョン。これを聴くとハムカツが食べたくなる。

 二席目『猫と金魚』。この噺に出てくる番頭さんは、ほとんど与太郎。現実にはこんな番頭さんがいたら勤まらないだろうが、旦那さんをからかっているだけなのかもね。

 仲入り後の三席目『三軒長屋』もそうだよなぁ。両端の鳶のカシラと、剣術の先生はあまりに現実離れしている。特に三三の剣術の先生はすっ飛んでいる。真ん中のお妾さんを囲っている旦那の「金持ち喧嘩せず」の持論は納得だが、それを逆手に取るカシラのとぼけた味わいも楽しい。

 年中、落語を聴きに行っているのが好きなのは、世の中があまりにギスギスしているからなんだと思う。最近、世の中のあまりのマナーの悪さに小言幸兵衛化してきている私は、こういう落語世界の住人に接していると気が和んでくる。気楽に考えた方が世の中、楽なんだよなぁ。

7月13日記

静かなお喋り 7月12日

静かなお喋り

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