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客席放浪記

川柳ナイト

2015年3月29日
阿佐ヶ谷地域区民センター

 川柳つくしの会。今回は落語はやらずに、つくしの師匠である川柳川柳の事を語ると漫談のみの会。『川柳ナイト』としたあとに「川柳川柳は出演しません」と断り書きがある。川柳川柳は寄席の世界でも独特な存在。今年84歳のおじいさん。この人のことを語るとまず飛びたすのは、大酒飲みで酒癖が悪い。高座から客を罵倒することがある。持ちネタは、ほぼ一席、自作の新作落語『ガーコン』のみ。その『ガーコン』だが、ようするに、ほぼ昔の軍歌を歌うだけのもの。ケチ。といったマイナス・イメージだけの落語家だ。しかし傍から見ていると、この人物、実に、その存在が面白くて興味がある。なにしろ酒癖も悪いから、酒を飲ませて直接話をしたいという気にはなれない。でもこの人のことをもっと知りたい。というわけで、川柳に一番近いところにいつもいる、つくしさんが川柳川柳という人のアレコレを語ってくれるというので、面白がって出かけた。

 『川柳の今年の誕生日企画落語会の裏話』『川柳とガーコンの行方』『川柳と古典落語』『川柳と確定申告』『川柳と歌』『川柳とリズム感』『三遊亭円弥の土鈴事件』『電車内での暴言』『タクシーの中での暴言』『仕事横取り事件』etc.

 まあどれも聴いていて呆れかえるようなエピソードばかりで、聴くのには楽しいが、川柳の周りの人はさぞかし大変だろう。ちょっとインターネットにはその詳細を書き記すのははばかられる。それでも川柳川柳がいまだに元気だというのには安心したり心配したり(笑)。去年あたり、川柳が元気がないという話を聞いて心配したのだが、その真相を知ったのでなるほどと納得できた。なんと去年、眼圧が上がってしまって、眼圧を下げる薬を飲んでいたそうだ。ははあ、私も飲んだことのあるダイヤモックスかなんかだな。あれは副作用が強い。中でも食べ物の味が変わってしまうというやっかいな症状があって、川柳の場合、食欲が無くなってしまったそうだ。それで元気がなかったのかぁ。

 もうひとつ面白かったのは『立川談志事件』。川柳が二ツ目に上がった時に、談志に「奢ってくださいよ」と言ったら、談志が「金がないから嫌だ」と断ったところ、川柳は「金貸しますから奢ってください」と言ったと言う有名なエピソードには続きがあるそうだ。それから数日後、談志が川柳に、川柳(当時三遊亭さん生)の名前と住所、電話番号が書かれた名刺を一組くれたそうだ。酒を奢るのではなく、この名詞で仕事を取りに行けという心遣いだったらしい。いい話じゃないの。でもそのことは川柳は人には言わないらしい(笑)。

3月30日記

静かなお喋り 3月29日

静かなお喋り

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