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客席放浪記

落語協会・新作落語台本発表落語会

2013年11月29日
お江戸日本橋亭

 新作落語台本を一般募集して、優秀作を決める会。

 前の用事が押してしまい遅刻。オープニングトークが聴けなかった。入ったときは一席目のマクラが始まったところ。

 柳家小ゑんが演った『江戸会話学校』は英会話学校だと思って行ったところ、江戸会話学校だったという噺。最初に習うのが「これは筆でござる」と言うのがやけに可笑しい。

 柳家はん治のは『旅のかかし』。そのタイトルどおりの噺なのだが、妙にペーソスが漂う不思議な作品。審査員の中で三遊亭円丈が押して、二位以下が横並びだったそうで、これが準優勝になった。

 桂才賀が演ったのは『予告ホームラン』。手術を嫌がる子供にベイブルースが予告ホームランを打ったという話を基にしたコントみたいな噺。私はこれが一番好き。ホームランを打ったら手術を受けてくれというスラッガーの横の部屋で、そのスラッガーと対戦するピッチャーが、相手を三振させたら手術を受けてくれと、別の子供に言っている。さらに天気予報士まで出てきて・・・という混乱が可笑しくて、私好み。

 優勝したのは、林家彦いちの演った『もてる』。『狸札』とか『狸さい』とか狸が恩返しにやってくる落語はあるが、こちらはハエだのカマキリだの蚊だの、虫たちが恩返しにやってくる噺。三遊亭白鳥の『台所の隅』にも通じる、虫の動きをどう表現するかがポイントで、演じ手としては、こういう噺が高く評価されるらしい。ストーリーの面白さよりも、まずは落語らしい表現の面白さが勝ったのかもしれない。

 起承転結がはっきりした作品が、林家正雀の演った『お花団子』。江戸落語らしい人情話で、よくできているのだが、審査員たちには物足りなかったのか。やはり演じ手側の見方は違うのかもしれない。

11月30日記

静かなお喋り 11月29日

静かなお喋り

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