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客席放浪記

新作落語の会

2018年2月10日
亀有リリオホール

 新作の会ということで、開口一番の三遊亭ぐんまも新作落語。去年2月の『ヨチヨチSWAN』で聴いた高校生のときのレスリング部での実体験を基にした噺。終演後に貼りだされた演目表によると『グレコ奮闘記』だそうだ。白鳥譲りの座布団芸と観客参加もあり、お客さんを沸かせていた。

 古今亭駒次は、先月聴いた『十時打ち』。こちらも観客参加あり。上野駅の駅員が東京駅の駅員を拉致して十時打ちを強要させる。「言うことを聞かないと、娘を東武鉄道に売るぞ!」 「それだけはやめてくれ」ってどういうことだ? アハハハハ。十時打ちという言葉もこれで鉄道マニアだけでなく、落語好きにも浸透したかもしれないな。

 [リリオホール]は600人規模のホールだが今日は満員。三遊亭白鳥が、以前は新作の会というと、渋谷[ジャンジャン]とか、池袋[ル・ピリエ]といった狭くて薄暗いところでやっていたのが、こんなに人が集まったと感無量といった面持ち。私もよく通ったっけな〜。それもだんだんと新作が知られるようになってきて、今のように新作が受ける時代になってきた。これも新しいものを作ろうという若い人たちの力あってこそ。
 今日は『最後のフライト』。これも観客参加。

 仲入り後は柳家喬太郎。立ち食いそばのマクラが快調。喬太郎の場合、B級グルメではなくC級グルメをこよなく愛しているのが彼らしいところ。化学調味料をたくさん使ったつゆに、そばとは言えない麺、そして天ぷらとは言えないような小麦粉を焼いて作ったものが三つ合わさることによって生まれる、高級そばとはかけ離れた、それでいて愛しい天ぷらそばへの思い。喬太郎のマクラを聴いていると、やけに立ち食いそばがおいしそうに感じ、無性に食べたくなってくる。
 さらに池袋の街に関するマクラを経て、『母恋くらげ』

 トリは林家彦いち『遥かなるたぬきうどん』。数年前に実際にヒマラヤ登山を経験して練り上げられた一席。力入ってます。

2月11日記

静かなお喋り 2月10日

静かなお喋り

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