直線上に配置

客席放浪記

深夜寄席

2014年5月24日
新宿末廣亭

 去年8月に二ツ目に昇進した三遊亭遊里。芸協の深夜寄席は、四人の出番にルールがあるらしい。二ツ目に昇進して最初に上がるのが二番手の位置。二回目はトリだそうで、三回目の今日はサラ口。ホッとしたそうだ。噺の方も落ち着いて『平林』。「ヒラリン? ヒラリン・クリントン?」

 一方で、今日この二番手の位置に上がったのが、先月二ツめ昇進の笑福亭竹三。バリバリの上方落語で『三人旅』。以前は東京で上方落語を演る人は少なかったが、鶴光が東京に来て以来、ずいぶんと増えてきた。また東京の人も上方落語を受け入れる人が増えてきたんだろうな。地方出身者が大半になったし、テレビでよしもとの芸人が活躍するようになって大阪弁が浸透したし。

 春雨や雷太のネタ『噺家と幽霊』は初めて聴いた。おばけ長屋に引っ越してきた噺家が幽霊の前で落語を演る噺。幽霊に拍手を強制して、幽霊が垂らした手で無理矢理拍手する仕種が可笑しい。

 芸協の二ツ目が送り込まれて、毎日落語を演っている草津・温泉落語。昔々亭桃之助は、その温泉寄席のマクラ。「出演料は、後日振り込まれてくるんですが、税金を引かれて来ます。温泉だけに源泉徴収」。噺は『妾馬』。後半の八五郎と妹のつるの泣かせの部分はほとんど無しで、終始笑いで押し通した。さすが桃太郎の弟子。

5月25日記

静かなお喋り 5月24日

静かなお喋り

このコーナーの表紙に戻る

トップ アイコンふりだしに戻る
直線上に配置