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客席放浪記

深夜寄席

2017年2月25日
新宿末廣亭

 来月真打昇進する、落語協会の五人の卒業公演。いつも大入りの『深夜寄席』だが、今夜はひときわお客さんの数が多い。立見のお客さんもかなりの数。
 開演前から出演者の後輩が、真打昇進興行の前売チケット売りに余念がない。「買ってくれた人には、クリアファイル付けます」なんていう特典付きのチケットを売る人も。「それじゃあ、私のチケット買ってくれた人には、小三治の住所教えますよ!」。アハハハハ。

 超満員の客席を見渡し、林家ひろ木、「こんなにお客さんが入るなら、卒業公演、もう5〜6年やろうかな〜」。『熊の皮』

 真打昇進を前にして、師匠の喜多八が亡くなったりした柳家ろべえ『皿屋敷』を始めた途端に、噛み噛みになってしまい、高座でごろんと倒れた。頑張れー! 「落語もそうですが、百人、二百人くらいのところでやっているのが一番です。千人ものお客さんを前にすると、芸が臭くなる」。やたら臭く皿を勘定するお菊さん、数が180まで行ってしまう。「なんで180まで数えるの!?」 「明日から海外遠征なの!」

 高座に座るなり、ガラケーを取り出して超満員の客席の写真を撮りだした三遊亭時松。「あとでツイッターにアップします」。
 『親子酒』で塩辛をツマミに酒を飲みだしてしまう親父さん、酒に塩辛は実に合うからね〜。すごくおいしそう。塩辛が余ったと言ってもう一杯。わかるな〜。

 一朝門下には個性的な人が多いけれど、春風亭朝也もそのひとり。『やかんなめ』は得意ネタらしいけれど、たしかにこの人の『やかんなめ』は、やけに可笑しい。

 トリは面白い改作が得意な鈴々舎馬るこ『小言幸兵衛』の大家さんの妄想のなかのお花ちゃんは肉食系女子。仕立屋のひとり息子を罠にかけてしまう。それでは息子とは別居して夫婦だけで越してきますと言えば、幸兵衛の妄想のなかでは、お花ちゃん今度は、この亭主に迫り、長屋は大量殺人が起こる事態に発展・・・って、凄いね、お花ちゃん。

 『深夜寄席』も5月から木戸銭が上がるらしい。ワンコインで観られるのも、あと2ヶ月。はたして値上げの影響はどうなでるだろうか。

2月26日記

静かなお喋り 2月25日

静かなお喋り

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