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客席放浪記


ショーガール

2014年8月28日
Parco劇場

 21時終演の『君となら』を観終ったあと、食事をしてParco劇場に戻る。

 22時からは、三谷幸喜版の『ショーガール』の開幕だ。『ショーガール』は、Parco劇場かつての名物舞台。木の実ナナ、細川俊之で毎年開催されていたもの。それを今度は三谷幸喜の作・演出でということになったようだ。出演は川平慈英、シルビア・グラブ。

 舞台美術がうまく出来ている。『君となら』の舞台を基本そのままに残して、『ショーガール』用に作り直している。だから『君となら』で使われた大道具が意味も無く残っていたり(それも考えた上)、もっと驚くのは『君となら』では単なる家具の一部で、まったく使われていなかったものが、『ショーガール』で突然意味が出てきたりという凝った作り。こんなところにこんな電飾も仕掛けられていたのかといった驚きもある。

 設定としても、夜中に一組の男女と、ピアノトリオのバンドが舞台に忍び込んで来て、こっそりとショーを行うという構成。まずは短いミュージカル仕立ての寸劇『寂しい探偵』。巧妙なのは、『君となら』で出てきた事を、拾い直して笑いに繋げていること。ちょうど寄席で前に出た噺や人の事を拾って笑いを取る手法に似ている。だから、『君となら』を観ないで、『ショーガール』だけ観たのでは、損をする感じ。また、先に『ショーガール』を観たのでは、なんのことかわからないところがある。

 後半は、歌と踊りのステージ。ふたりで歌い、踊りまくる。洋楽に詳しい人ほど楽しいだろう。スタンダード・ナンバーからソウル、ブルース、ロックまで。それに歌謡曲まで加わる。

 ただ、終演が23時と、いささか遅くなってしまうのが気になる。でもたまには芝居で遅くなったって、いいじゃないか。終電近くまで飲んでいるよりよっぽど健康的。帰宅が遅くなって家に入れてもらえなくなったら、『宮戸川』の半七やお花ちゃんみたいに、霊岸島のオジサンのところに行って泊めてもらおう。

8月29日記

静かなお喋り 8月28日

静かなお喋り

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