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客席放浪記

シソンヌライブ[03 trois]

2015年1月29日
赤坂 Red Theater

 去年の『キング・オブ・コント』のチャンピオン、シソンヌの単独ライブ。ブラックなネタが多かったのが意外だった。

 タイトルは便宜上、勝手に付けたもの。

『手荷物検査場(1)』
 どことなく不審な男。ゲートを通るとブザーが鳴ってしまう。財布や携帯電話をポケットから出すが、それでも鳴ってしまう。どうやらベルトが原因らしい。それを外して通ってくれというと、これはベルトパンツといって、全部外すと下半身が裸になってしまうと言いだす。検査係と乗客の攻防のコント。

『目覚まし時計』
 若い夫婦。どうやら一人息子は死んでしまったらしい。母親は子供の部屋をそのままにしておきたいと思っている。毎朝鳴る目覚まし時計もセットしたままの状態だが、この目覚まし時計、意思を持っているかのように、一日中気まぐれのように鳴りだして止まらない。

『テレビ関係の仕事』
 偶然出会った昔馴染み。どちらもテレビの仕事をしていると言っているが、片方はテレビの受像機の会社勤め、もう片方はテレビ番組の制作者。受像機を作っている男は、番組制作者の方が給料も高いことに不満を感じる。

『殴る先生』
 職員室に毎日一人ずつ生徒を呼んで、一緒に弁当を食べながら親睦をはかろうとする中学教師。その日にやって来た男子生徒は、父親から昔はよく先生に殴られたものだと聞かされていて、自分もいつ殴られるか恐れている。

『杖』
 杖をついて歩いている老人は怖いかどうかを話し合っている若者二人。片方が老人に近付いていくと・・・。

『生きているトイレ』
 会社のトイレ全体が意思を持っていて、トイレの清掃員と仲がいい。この会社の社員はちょっと意地悪で清掃員につらく当たる。ついには清掃員をクビにしてしまう。トイレは清掃員にこの会社員を殺そうと言いだす。可笑しいのだけどけっこう怖いホラーコント。

『道順』
 ヤクザとその妻。解り難いところに家を買ってしまい、夜遅く帰ってくる妻はタクシーで帰って来るのに、毎回道がわからなくなる。ヤクザの夫は車を運転しながら道順を教えるのだが、妻は曲がり角などがなかなか覚えられず、過去の想い出をヒントに覚え込もうとする。

『秘祭』
 田舎にやって来た男。この村では明日から祭があると聞かされる。その祭とは、野菜を使って殴り合うという荒っぽい祭のようで毎年死人が出るらしい。どうも毎年エスカレートして、もう野菜だか武器だかわからないものを作っているようだ。

『認知症』
 初期の認知症にかかった女性と、その息子のコント。暗くなりがちなテーマだが、明るいおかあさんで救いがある。でもこの手のコントは現実に立ち返ってしまうと辛いよなぁ。

『手荷物検査場(2)』
 空港の手荷物検査に来た老婦人。手荷物の袋に入っていたものは・・・。

 さすがにチャンピオンになっただけのことはある。テレビ向けの口当たりのいいコントではなく、かなりダーク。やはりテレビでは限界があるんだな。

1月30日記

静かなお喋り 1月29日

静かなお喋り

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