早朝寄席 2013年3月10日 鈴本演芸場 落語家になって売れっ子になれば大儲けできるが、そうでもない二ツ目さんたちはたいへんだ。 「二ツ目の仲間の家に泥棒が入りまして、現金100万円を盗まれた。100万円持っているというのも凄いですが、あとからこの泥棒が捕まりまして、『まさかここに100万円あるとは思わなかった』」。金原亭馬治は『転宅』。したたかな女と、モテない男の描写が巧いね。典型的な結婚詐欺の噺だね。 「オバサンにも前座、二ツ目、真打といまして、カバンの中身でわかる。二ツ目はアメちゃんを持っている。真打になるとみかんそのものが入っている」。古今亭志ん八は駐輪場の、やかましいおじさんを描いた『小言駐輪場』。自転車をキッチリ並べて停めないと文句を言う。まさに『小言幸兵衛』の駐輪場版。きっといるんだね、実際に。何事にもキチッとしてないといられない年寄りって。でもなんで自転車の色で停める位置を決めているのかというと、それがサゲになっていた。 柳家喬之進は『粗忽の使者』。この噺、人によって演り方があるのだろうが、最初っから殿様同士が示し合わせて、使いの用件を教えないで治部右衛門を使者として出すという形でやっていた。こっちの方が理に適っているのだが、サゲの意外性は無くなるかなぁ。サゲを知っている人間にはどっちでもいいことだけど。 鈴々舎八ゑ馬は大阪弁の落語家さん。『ちりとてちん』も上方落語で。 「わてら江戸っ子はマグロしか食わへん」 「どこが江戸っ子やねん」。フハハハハ、この人、これからどうなっていくのか楽しみだなぁ。 3月11日記 静かなお喋り 3月10日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |