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客席放浪記

2012年9月8日新宿末廣亭九月上席夜の部

 仲入り後の割引料金で入場。

 雷門花助『さんま芝居』。花助がこの噺を持っているとは聞いていたが、ようやく巡り合った。まあ、たわいないといえば、そんな噺だったけど、落語ってそういうものだと思う。このたわいなさがいいんだよな。舞台効果の煙代わりとして、さんまを焼くって無理だろとも思うが、案外昔の小屋掛け芝居の舞台効果って、そんな程度の煙だったのかもしれない。

 今日のお目当ては三遊亭笑遊。おっ、今日は『鰻の幇間』。いやー、やかましい幇間だねえ。やたら「ばんざーい!」を入れる。確かにこういうのに取り巻かれちゃ嫌だろうね。それに汚い鰻屋の描写ときたら、これがもう物凄いんだもの。酒が運ばれてきても机に置けなくて、まずは布巾を借りて拭き掃除。高座の周りも、マイクを持ち上げて念入りに。

 俗曲の桧山うめ吉は、『三階節』と『品川甚句』。立ち上がって踊り『茄子とかぼちゃ』。

 トリが三遊亭遊雀『宿屋の富』。この人の独壇場はやはり二番富を当てようという男。ひとり妄想の世界に入っちゃった人物をやらせれば、この人くらい入り込んでしまう人もそういない。男が妄想の世界で泣き出しゃうところは、この人ならではだね。

9月9日記

静かなお喋り 9月8日

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