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客席放浪記

21012年9月25日末廣亭九月下席夜の部

 十一代桂文治襲名披露興行。仲入り時に入場。前座さんがCDを売っている。もう平治から文治に変えてあって新録とのこと。手回しいいなあ。

 まずは口上。
桂米助「このひとの唯一の欠点は独身者であること。こうなると昇太と結婚させるしかない。いや、ハムスターか。昇太、ハムスターと三角関係になったりして」
桂春団治「東京にも上方にも、頭にカツラがついて、お尻にヂがつく噺家が何人もいまして、今回文治になられました平治さんも同様。ゆくゆくは、落語芸術協会、上方落語協会を揃って脱退して、カツラヂーズ協会を設立しようかと」
三遊亭小遊三「十一代文治の出身地は宇佐でございます。宇佐と言えば69連勝した双葉山の出身地でもあります。文治には双葉山の血が流れて・・・(周りに)いますかね?」
春風亭小柳枝は、何か言ったが忘れた。真面目な人らしくて、真面目に挨拶していたように思う。
 「はなはだ千円札ながら」と小遊三の音頭で三本締め。

 江戸家まねき猫の物まね。文治から電話がかかってきたときの真似から、ニワトリの目覚まし時計だんだんトーン、江戸家イヌの警備防犯システム、まねきネココンパニオン出張サービス。

 「『息を吸え、息を吐け、舌を出せ、服を脱げ』医者くらい、いろいろ言われるところはありませんな。マクドナルドではまず言われない」と桂小春団治『アルカトラズ病院』へ。不良患者ばかり集まる病院という設定が面白い。薬用アルコールや紅茶タバコをやってる患者。はて、紅茶の葉のタバコって健康にいいのかも。

 春風亭小柳枝『桃太郎』。口上でもきれいに挨拶をしていた小柳枝。どうやら芸協の若手は、小柳枝に噺を教えてもらう事か多いように聞いている。確かにこの人の噺は、滑舌がよくてわかりやすい。あまり噺を崩すことなく、それでいてしっかり笑わせるところは笑わせる。さもありなんという気がしてくる。まさに、きれいな落語だ。

 ボンボンブラザースの曲芸。私はこの人たちを見るといつも、ローレル&ハーディを思い出してしまう。喋らなくても十分に笑いが取れる寄席の曲芸。それがボンボンさんだ。

 トリの桂文治『親子酒』をたっぷり。15分の持ち時間でも出来る噺だが、やはり30分あると違う。酔っぱらった親父さんがいい。無理を言って酒とサカナの用意をさせた奥さんに、「変に女房ヅラしちっゃてさ。監視するような目で見る。なんで非難するような顔するの?」 フフフ、文治、結婚もしてないのに。

9月26日記

静かなお喋り 9月25日

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