新宿末廣亭七月中席昼の部 2014年7月19日 途中入場。 橘家蔵之助、横に広がって道を歩いているオバチャンたちを追い抜こうとした時の話をマクラ。横に広がって、のんびり歩くオバチャンたちと、前から来るスマホ歩きは、いまや迷惑ナンバーワンだね。噺は『ぜんざい公社』。 すず風にゃん子金魚の漫才。なんだか最近、内容がおんなじになってきたみたい。金魚ちゃんの暴走がメイン。「お仕事ですもの」。やっぱりこのパターンが一番受けるのかもしれない。 「65歳以上を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者というそうで、その上は末期高齢者」。柳家さん八は、今70歳くらいか。『長短』。先代小さんゆずりの顔芸が面白い。この噺はやはり柳家だね。 五街道雲助の『粗忽の釘』。粗忽者でも雲助が演ると、騒々しい粗忽者ではなく、落ち着いているようで粗忽っていう味わい。こういう人、現実にいるやね。 江戸家猫八の動物ものまね。アフリカまで行って、動物の鳴き声を研究してきたけれど、誰も知らないというネタが面白い。へえーって思い。カバとか極楽鳥とかって知らなかったな。アフリカのコウロギも日本のとは、鳴き声が微妙に違うんだ。 久しぶりに川柳川柳の『ガーコン』。今や、軍歌が聴けるなんて、なかなか無いやね。腰の具合が悪いそうだけど、例のサゲ、今日は立ち上がってやってた。 仲入り後のクイツキは、林家彦いち。「休憩前の、軍歌からこっちは自由な時間。新作落語です。江戸情緒はまったくありません」と、お得意の『睨み合い』。 ロケット団の漫才。野々村議員の号泣会見は、寄席では格好の材料。ロケット団にかかると、ASKA事件を詫びるCHAGEも、敗戦を詫びるネイマールも、捕まったさくらんぼ泥棒も、野々村議員になってしまう。 三遊亭白鳥は『ナースコール』。とんでもない看護婦みどりちゃんの噺。ブラックユーモア満載なのだが、不思議と毒だと思えないのがこの人。やはりスピード感なのかもなぁ。毒と感じる前に、噺がどんどん突っ走っていく。 そのあとに上がった白鳥の師匠、三遊亭円丈は「今日は、ほとんどやらない『牛肉少年』という噺をやります」と始めた。これは人気になった『グリコ少年』の路線のもののようなのだが、やっているうちに、受けてないと感じたようで、「ネタを変えます」と止めてしまった。それ以降は、韓流ドラマの漫談などをやって下りる。う〜ん、最後まで聴きたかったなぁ。 和楽社中の太神楽曲芸。 トリの柳家小ゑんも、「滅多にやらない噺をやります」と言って始まったのが『恨みの碓氷峠』。これ、推理小説仕立てになっている。演出的には、火曜サスペンス劇場なんだが(笑)。碓氷峠で死体が見つかる。被害者は秋葉原の鉄道マニア喫茶の従業員。捜査をしていくと、ある容疑者が浮かんでくる。しかしこの容疑者には、犯行推定時刻のアリバイがある。クライマックスは、このアリバイ崩しになるのだが、これがもう、落語好き、寄席好きなら、大爆笑必至。今日はマニアックなお客さんが多いと踏んでかけたのだろうが、ドカンドカン受けていた。凄いねぇ、まさか落語で、こんなパロディをやるとはねえ。アハハハハ。 7月20日記 静かなお喋り 7月19日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |