粋歌の新作コレクション2018春 2018年4月20日 内幸町ホール 開口一番前座さんは、三遊亭じゃんけんで『動物園』。師匠兼好に似て声がハッキリと聞き取りやすい。前座修行頑張ってね。 三遊亭粋歌一席目は高齢ドライバーに運転免許証を返納させるように仕向ける当たり屋を稼業にしている会社の話『当たり屋本舗』、当たり方によって、ソフトコース、ベーシックコース、ハードコースがあるというのが可笑しい。 二席目は、一年前にNHKのラジオでネタおろしした『一年生』。ベテラン女性社員から新人研修を受けている新入社員の男が研修に耐えられず会議室に籠ってしまう話。あまりに自覚が足りない新入社員だが、「教える」ということの難しさも捉えた一席。頭ごなしな教え方は逆効果だっりするんだよね〜。 ゲストの三遊亭兼好は『湯屋番』。 若旦那は桜湯のおかみさんに惚れているという設定で湯屋にやってくる。だから妄想の方も、自分に惚れた女性客以外に、湯屋の主人が死んでおかみさんが自分と一緒になるというものまで加わり忙しい。女好きもここまで来ると能天気で、さらに可笑しい。 兼好によると落語家になってしまう人は、もともと変な人で、入ってきてしまってから現実とのバランスを取る必要があと言う。新作の人の場合は特に大変で、粋歌の場合、うまく現実とのバランスがとれた落語を作るそうだ。なるほど酔歌の場合、なんとなく現実にありそうな、それでいてなさそうな噺が多い。今日の『当たり屋本舗』にしても『一年生』にしてもそう。さらに兼好に言わせると、三遊亭白鳥まで行ってしまうと、突き抜けてしまっていて、現実にはあり得ない噺じーばかり作っているとか。 粋歌の三席目は、そんな白鳥の作った『落語の仮面 第一話』。なるほどこの噺など、まさしく現実離れしている。 『落語の仮面』は『ガラスの仮面』を知らないと、その面白さがいまいちわかりにくい。私も『ガラスの仮面』を読んだことが無く白鳥の落語を聴きながら、一部の客の間だけで笑いが起こる個所が、なんで可笑しいのかわからなかった。粋歌は『ガラスま仮面』がどんな話なのかを、かいつまんで説明するところから始めてくれた。おかげで最後の方に出てくる紫芋が何の意味を持つのか、ようやくわかった。 粋歌流にアレンジされた『落語の仮面』は、わかりやすくなっていて面白かった。 4月21日記 静かなお喋り 4月20日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |