客席放浪記

鈴本演芸場六月中席夜の部

2017年6月15日

 開口一番前座さんは、春風亭一花『子ほめ』。前座修行頑張ってね。

 「門前に市をなす、おのこやおのこ・・・」、「へのこだってやがら。沖縄じゃねえぞ」。『たらちね』を演るのは蜃気楼龍玉。いつも大ネタというイメージのこの人も、この位置だとこんな噺。蜃気楼龍玉という物々しい名前からしても、こういう噺ってイメージじゃなかったな〜。

 翁家社中の太神楽。和助の土瓶は、技も増えた上に、安定してきた感じがする。

 ここで先月二ツ目に昇進した林家あんこ。しん平の弟子で、前座時代は内弟子修業だったとか。そんな内弟子時代の師匠とのエピソードで笑わせてから『つる』

 ちなみに今日の高座返しは、美人すぎる前座として話題の金原亭乃ゝ香。開口一番の一花、二ツ目昇進のあんこ、そして乃ゝ香。女流の落語家もどんどん増えていくなぁ。

 柳亭市馬『かほちゃ屋』。「そのかぼちゃ、どこのだい?」 「さっきまで築地で泳いでた」 「よせやい、かほちゃっていえば山のものだろ」 「エベレスト」 「エベレストのわけないだろ」 「産地偽装」 「おいしいのかい?」 「味の素が入ってる」。

 ホームランの漫才は覚醒剤のネタ。そして東京オリンピック音頭。今日は『シャバンシャバン』やってくれないんだ。

 三遊亭歌之介は、先日亡くなった師匠円歌に関する漫談。死ぬ間際のことまで笑いにして客席を沸かす。

 「レストランでフランス料理食べてワイン飲んたら、3万円くらい取られるんですか? そこへ行くと寄席は安いですよ。木戸銭三千円で十人観たとしてもひとり三百円。私、三百円ですよ」。柳家さん喬『ちりとてちん』

 鈴本では仲入りのとき、前座さんが幕の下りた高座の前に立って、注意事項のアナウンスをする。今日は乃ゝ香だよ。最前列に座った私の真ん前に乃ゝ香。いや〜、目の保養をさせていただきました。

 クイツキは林家楽一の紙切り。上野動物園でパンダの赤ちゃんが生まれたということで、私が「パンダの赤ちゃん」、を切ってもらった。ほかのお題は「桃月庵白酒」と「猫と金魚」。

 五街道雲助はマクラもなしでいきなり『洒落番頭』。こんな短い、どうってことない軽い噺を雲助がやったのは初めて聴いた。

 柳家小菊の粋曲。『呉服づくし(春雨)』という歌は初めて聴いた。私など呉服に関する知識は疎くて知らないものも多かったけれど面白い。

 トリの桃月庵白酒。師匠の雲助が簡単な噺で時間を余して下りて来てしまって時間がたっぷり。マクラでボヤいてみせて『抜け雀』。「わしは絵師じゃ」 「S?」 「加納派の絵師だ」 「官能派のS?」 ウハハハハ。雀なんか描いてもらうより、エロ絵画描いてもらった方がお客がたくさん来たりして。それじゃあ快楽亭ブラックだよ。

 出口で、乃ゝ香が追い出し太鼓を叩いていた。そのうち、乃ゝ香が前座で入っている寄席を調べてやってくるファンも出てきそう。

6月16日記

静かなお喋り 6月15日

静かなお喋り

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