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客席放浪記

鈴本演芸場九月中席夜の部

2017年9月14日

 三遊亭白鳥の「落語の仮面」祭り。今回は第4話から第8話まで。私はこのうちの第7話を聞き逃しているので、第7話が口演される今日聴きに来た。

 開口一番前座さんは、林家彦星『子ほめ』。前座修行頑張ってね。

 三遊亭美るくが『棒鱈』をやっているのを白鳥が聴いて、これは女性の落語家向きの噺ではないと、新作落語に作り直したという『千葉棒鱈』。白鳥では聴いていたが、美るくでは聴いたことがなかった。ここで美るくのものを聴くことが出来たのはラッキーだった。菜の花体操の本物を観れたのと、千葉の学校では出席番号はあいうえお順でなく誕生日順だと知ったのが収穫。

 アサダ二世のマジック。長いロープをいくら切っても短くならないという手際で見せるマジックが一番見事。

 春風亭一朝は『たいこ腹』。若旦那の針、壁の次が猫で、その次が一八。「壁と猫? さんな映画がありましたね」。はて、なんだろう?

 「今日の出演者、ほとんどの人からは江戸の風は吹きません。トリの白鳥さんは新潟生まれ」と柳家小ゑん。「なかなか三代続いた江戸っ子っていませんよね。上野動物園のライオンは三代続いた江戸っ子です・・・って言ってたら、今の上野動物園のライオンは多摩動物園て生まれたんですって」と、江戸っ子に憧れる男の噺『下町せんべい』

 ホンキートンクの漫才は、落語のそばの食べ方をパロディにしてみせた、「落語ファンを敵に回すことやってるな」 「今日のトリは白鳥さん。純粋な落語ファンなんていないよ」。

 桃月庵白酒『真田小僧』。子供からおとっつぁんの留守に、おっかさんが男を家に入れたと言われた父親、「外行かなくていい。熱中症になるから。お茶でも飲め」。

 春風亭百栄『茶金』を聴いたのは二回目。以前聴いたのはいつだったけと調べてみたら、もう六年前の3月だった。百栄の場合、古典はあまりいじらないで、それでいて百栄らしさを残しているのが面白い。

 仲入り後のクイツキはぺぺ桜井のギター漫談。今日は少し時間が押しているようで5分程度で下りちゃった。

 まだ出番には時間があるだろうと煙草に火をつけたばかりだったという橘家文蔵『時そば』。「ちくわが入ってないよ。あっ、丼にへばりついてる。・・・取れないよ。絵? 丼の内側にちくわの絵が描いてある。『だくだく』みたいだね」。

 林家二楽の紙切りも、この興行ではとんでもないお題しか出ない。「月影千草と三遊亭白鳥の相合傘」を切りながら、「私が何でも晴れると思ったら大間違いですからね」。

 さて、三遊亭白鳥『落語の仮面 短命からの脱出』。6話と8話は聴いていたが、この7話は中抜けして聴いていなかった。花が再び東京に戻ってきて奮起する噺。今回は『短命』を持ってきた。『短命』の途中で子供には聴かせられない判断した父親が息子を連れ出そうとすると、息子が先を聞きたがって抵抗するというのが可笑しい。
 この回も、『ガラスの仮面』とシンクロするところがあって、読んでいない私にはさっぱりわからなかったが、それでも面白い。
 今回は白鳥落語論があまり出てこなかったこと。危ない落語界ネタがなかったのが寂しかったかな。
 それと、あゆみが落語を喋っている部分が白鳥自身が喋っているのと区別がつかなくなっているのが惜しい。それが白鳥だといえば、そうなのだけど。
 来年は十日間通しで1話から10話まで聴けるといいな。

9月15日記

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