鈴本演芸場十二月中席夜の部 2017年12月20日 トリで一之輔が自作の『芝ノ浜由縁初鰹』をかけるとあってか、満席。 客入れに時間がかかったためか、前座さん開口一番はなし。いきなり二ツ目の古今亭駒次が上がって、得意の鉄道落語。『戦国鉄道絵巻』は、東横線がJRと手を結んで横浜の先まで乗り入れたことから危機感を抱いた残りの東急線グループが、ほかの私鉄を巻き込んで、JR東横線タッグに戦いを挑もうとする噺。東京の鉄道事情に詳しくないとわからないギャグ多し。でも知ってる人は大笑い。 翁家社中の太神楽。見慣れた曲芸なので、私は休憩。 古今亭文菊は『ちはやふる』。千早太夫にふられて相撲取りを辞め、クニで跡を継いで豆腐屋になった竜田川。そこへ女乞食に身をやつした千早太夫がやってくる。「花魁が女乞食になるなんておかしい」 「千早のおかあさんもクニで女乞食してたの」。 次に上がった三遊亭天どんが、また『ちはやふる』を始めた。ところがこちらは、千早が竜田川をふったのではなく、千早の方が竜田川にふられたという筋。これ『ちはやふられ』とでもいうのかな? 竜田川はクニで跡を継いでゲイバーを始め、千早は男装の麗人になってしまっていた! 春風亭一朝は『湯屋番』。憧れの番台に座ったものの女湯は誰もいなかった若旦那「オツな年増が洗い場でステーンと転ぶところ見てみたかったね」。 柳家小菊の粋曲。今日は都々逸をやってから、その解説をやってくれていた。野暮っちゃ野暮だが、最近の人は解説しなきゃわからない。 「サッカーの選手は刺青をしている人が多いんだそうですが、クリスティアーノ・ドナウドという人は刺青をしていない。インタビューでこう言ったそうです。『献血できないからタトゥーはしない』」。宝井琴調は五日前に来た時には『団蔵と淀五郎』だったが、今日は『中村仲蔵』。どちらも落語でもやる忠臣蔵の芝居役者もの。 ホンキートンクの漫才。後半の歌ネタね今日は吉幾三。 柳亭左龍は『鈴ヶ森』。左龍のドジな泥棒はやけに可愛い。 林家正楽の紙切り。「ドラゴンクエスト」、「芝浜」、「パンダ」。 トリの春風亭一之輔。『芝ノ浜由縁初鰹』は、題名通り『芝浜』の前日談。いきなりマラッカ海峡にいるポルトガル人が出てくる。日本に流れ着いたポルトガル人とそれを助けた魚屋。やがてホルトガル人は悪徳商人と闘うことになるのだが、そこに登場するのは時代劇のお馴染みのある有名なヒーロー。はめもの入りのオーバーアクションが大受け。暴れすぎて、一之輔は前のマイクを倒してしまった。「社長、ごめんなさい」と鈴本の社長に誤っているところで、緞帳が下りて行く。マイク、大丈夫だったかな〜。 12月21日記 静かなお喋り 12月20日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |