鈴本演芸場六月下席夜の部 2018年6月22日 開口一番は、去年菊之丞に入門し、今年の三月から前座になった古今亭まめ菊。『子ほめ』。気持ちよく耳に通る声で、聴いていて気持ちがいい。しかし最近の前座さんはほんとに最初っから噺が上手だな〜。前座修行、頑張ってね。 古今亭始は夏の噺『たがや』。もうそんな噺がかかる季節になった。両国橋での侍と江戸っ子の立ち回りを明確に語るこの噺は、夏じゃなく ても、いつ聴いてもいいね〜。 鏡味仙三郎社中の太神楽。今日は客席に初めて太神楽を見る人が多いらしくて、悲鳴と歓声がたくさん飛んでいる。 昨年、真打に昇進し、五代目を継いだ桂三木助は『天失気』。珍念がいかにもな、いたずら小僧。 五街道雲助も夏の噺『夏泥』。死ぬ死ぬ詐欺だが泥棒も江戸っ子、わかっていながら後に引けない。 アサダ二世のマジック、トランプ当てはお客さんに引かせる段階でアクシデント。しかしうまく持って行った。いろいろ対応の仕方は考えてあるんだな。 五明楼玉の輔の『財前五郎』を初めて聴くことができた。癌告知ができない気の弱い医者の噺。今は癌告知は当たり前だけどね。 仲トリが隅田川馬石。越してきた『粗忽の釘』の粗忽者の大工さん。釘を打ち込んでしまった隣の家に上がり込んで、普通はタバコを一服だが、なんとお茶を要求。タバコ吸わない人なんだね。そこあと、のろけ話を始めるのが普通の『粗忽の釘』だが、なんと女房の愚痴話になってしまう。かわいそうね。 ホンキートンクの漫才。いつもの。 落語家になる前は、アメリカで寿司屋の板前をやっていた春風亭百栄は『寿司屋水滸伝』。「あの〜、お客様の中で板前さんいます?」、誰からも声が上がらないと、「寿司なんて誰でも握れます!」。そんなことないよ〜。 林家二楽の紙切り。お客さんのお題は「ブーケトス」、「ドンキホーテ」。ドンキホーテを切り上げてから「ひょっとしてお店の名前の方ですか? そっちの方が簡単だった」。 トリは蜃気楼龍玉。『牡丹灯籠』に入ったので『お札はがし』かと思ったら、『お札はがし』のあらすじをどんどん説明して行って、そのあとの『栗橋宿』へ。儲け儲け。『お札はがし』はよく聴く機会があるが、『栗橋宿』は滅多に聴けない。 お化けの夏ももうすぐだ。 6月23日記 静かなお喋り 6月22日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |