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客席放浪記

玉川奈々福7・太福の浪曲浮かれナイト
清き流れの玉川姉弟会 vol.20


2018年4月19日
らくごカフェ

 今や浪曲界を引っ張って行っていると言っても過言でない二人の会。今日はそれぞれ国定忠治と清水次郎長の侠客もの。
 曲師は玉川みね子

 玉川奈々福は高崎映画祭で国定忠治の映画を上映したあとで、国定忠治の浪曲をやったそうだ。時代劇に対する思い入れも人一倍で今まで多くのスターが国定忠治を演じたが、自分のイメージでは片岡千恵蔵が一番合っていると熱っぼく語る。
 『国定忠治旅日記 忠治山形屋』は、芝居でも有名な場面。赤城の山のいきさつのあと、旅をしていた忠治が首を吊って死のうとしていた男を助け、事情を聞いて、二足の草鞋の悪親分山形屋に乗り込むところ。忠治が自分の正体を明かすと、山形屋がタジタジとなってしまうのは、まるで水戸黄門。日本人って、このパターンが好きなんだろうね。

 世の中で一番知られた浪曲といえば広沢虎造の『清水次郎長伝 石松三十石船』。しかし虎造亡き後、これを受け継ぐ者はないままになっていた。それを一門の垣根を越え、許可を取って玉川太福が『清水次郎長伝』に取り組んでいる。そしてついに『石松三十石船』までたどり着いた。
 太福は虎造のものを基にして、太福らしい笑いも入れた新しい『石松三十石船』を完成させた。「寿司食いねえ、酒飲みねえ。江戸っ子だってね」「神田の生まれよ」の部分も、さらに細かく手を入れて可笑しくしてあった。なんか涙が出るくらい笑った。これから太福の『石松三十石船』も十八番になるといいな。

4月20日記

静かなお喋り 4月19日

静かなお喋り

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