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客席放浪記

立川流談志まつり・立川流落語会“江戸の風”編

2013年11月23日
よみうりホール

 まずは、この会で落語の出番が無かった人間たちによる、談志の思い出話トーク。
 立川談修は談志に飲まされたスイミンヤクの話。
 立川談慶はブラックタイガーをクルマエビにして弁償させられた話。
 立川志遊は、やらなくてもいいとうのでやらなかったら「おれは毎日言う事が変わるんだ」と怒られた話。
 立川談之助は、志ん朝・談志の掴み合いの喧嘩の話。
 それぞれ、さもあったろうなというエピソードだ。

 さら口で上がった立川談春も、立川志らくに真打昇進を先に越され、志らくの昇進披露のときに談志から、「君は真打にならないの?」と言われて、怒りを通り越してめまいがしてきたという話を披露して『桑名船(鮫講釈)』。講談好きだった談志が楽しそうに、この総合講釈をやっていたところを、談春はあくまで表情を殺して演る。そっちのほうが噺の流れとしては正しいのだけどね。

 立川談幸『七段目』。下座も入れてかなりの入れ込みで歌舞伎を見せる。きっと好きなんだね、この人。

 立川龍志『義眼』。この噺聴くと尻の穴がムズムズするんだよねぇ。大腸内視鏡検査を思い出すからからだろうね。

 仲入り後、立川ぜん馬は、談志が二ツ目のころにやって安藤鶴夫に褒められて天狗になったという『蜘蛛駕籠』。これなんかはいかにも談志好みの噺だよなぁ。酔っ払いとか、文無しのひょうきんな男とか、こっそり二人乗りする男たちとか、なんとも理不尽な事ばかりやるやつばかり出てくる。

 土橋亭里う馬『雑俳』を聴いていると、この人はかなり談志の口調を受け継いでいるなと感じる。間というかリズムというか、そっくり。

 そこへ行くと、上手い具合に談志スピリッツを受け継いで、それをあくまで自分の物にしている立川志の輔は凄いと思う。『徂徠豆腐』の理屈の付け方は談志の影響を受けているものの、一本芯が通っている。談志のメチャクチャな理屈ではないところにオリジナリティがあるし、だからこそ誰にでも好かれるから、あれだけの動員力がある人なんだろうな。

11月24日記

静かなお喋り 11月23日

静かなお喋り

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