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客席放浪記

らくご@紀伊國屋 三遊亭天どん 聖夜なのに真打昇進披露公演

2013年12月24日
紀伊國屋ホール

 オープニングは幕前で寒空はだかの聖歌『きよしこの夜』でスタート。

 緞帳が上がると三遊亭天どんが高座に座っていた。まずはこの会の趣旨説明。なにしろゲストが豪華で、喬太郎、白鳥、白酒、一之輔、円丈で、これに天どんの一席と口上まで入れたら、どう考えても二時間じゃあ収まらない。普通にやったんではゲストに食われてしまうとのことで、この4人のゲストは持ち時間5分。しかも、高座に上がったら目の前にカードが置いてあり、その指示通りに、その場ですぐ落語をやってもらうという無理な注文。ハハハハハ。

 春風亭一之輔には「『初天神』を子供3人でやれ」。実生活でも3人の子持ちでもある一之輔。自分の子供を噺に出して、何を思ったのか、団子屋は、みつとあんこと生クリーム。それで生クリームを欲しがる子供の生クリームを舐め取る。ウハハハハ。

 桃月庵白酒には「かあちゃんパンツ破れた。またかいで人情噺をやれ」。ところどころ『双蝶々』が入っているような人情噺で5分をなんとか繋ぐ。

 三遊亭白鳥には「お客さんからお題をもらって三題噺」。天どん、クリスマス、新宿というお題を貰って始まったのが『隅田川母娘』の番外編とでもいった噺。うまくサゲを付けた手腕はさすが。

 柳家喬太郎には「『芝浜』と『文七元結』、五分で両方やれ」。さすが喬太郎ですな、これにさらに『井戸の茶碗』まで加えて五分。ぐっちゃぐちゃのミックス落語。フハハハハ。

 天どんの師匠三遊亭円丈は、そのままキチンと自作の『なんばん』。娘婿と一緒に食事行った義父が、どの店に入ろうかという事で、なかなか決まらないというのが前半部分。そして終盤になってようやくタイトルになっている鴨南蛮を食べにそば屋に入る。南蛮という語句に対する勘違いが出てくるが、これはもう死語になっているようなものを、そば屋がまだ使い続けているというのが問題でもあるんだよねぇ。お客さん誰も知らないし疑問に思っている人も多いみたいだ。

 仲入り後は口上。天どんのほかに、円丈、白鳥、白酒、一之輔が上がるが、なぜか喬太郎はいなくて、六代目円生?と円朝?がピラピラの紙で座っている。その円生と円朝も挨拶するのだから可笑しい。

 寒空はだかと会場中のお客さんで『歓喜の歌』合唱。

 トリはもちろん三遊亭天どん『公園の悪いおじさん』は、2009年10月12日『僕のらくご道』でネタおろししたのを聴いた。あのときは50分くらいあり、さすがにこちらも疲れてしまったが、今日のは刈り込んで来ていて30分程度にまとまっていた。軽トラに乗ってプレゼントを配るサンタさんの噺。なかなかにメルヘン。

12月25日記

静かなお喋り 12月24日

静かなお喋り

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