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客席放浪記

The Geese 第9回単独ライヴ
ロイヤル・ストレート・フラッシュ・バック


2015年5月1日
Space雑遊

 The Geese のコントライヴを観るのは何年振りだろう。最初に観たのが2006年に笹塚ファクトリーで観た第2回公演だから、もう10年前。それから確かシアターサンモールでのライヴを一度観ていて、いろんな人が出てくるライヴでも何回か観た。

 今回は彼らとしても二年半ぶりに行うとのことだから、やや長いブランクがあったみたいだ。狭い会場での全五回ステージ。テレビで売れっ子になっているわけでもないから、そんなものなのかも知れないが、私はこの人たちのコントが大好きだ。

 新作コント10本。1時間半。ネタのタイトルは私が考えたもので書き留めたもの。
『合格!』
『コントのリフォーム』
『ニュース・7時の悪口』
『カラオケ〜長い歌禁止』
『上司の本性』
『5分で身に着くカルチャースクール』
『フィッシュ or ビーフ?』
『早稲田へ行きたい』
『一発ギャグ路線バス』
『私が棄てた童貞』

 あいかわらずシュールなものが多い。最初に観始めたころはシュール過ぎてわからなかったものも多かったが、今回はどれも一応理解の範囲を超えてしまっているものはなかった。『コントのリフォーム』は、サカナくんが銀行強盗をやるという、以前だったらThe Geeseはやっただろうなぁというシュールすぎるコントをわかりやすく作り変えるというコント。もちろんこれはシャレで、わかりやすくし過ぎて今度は逆に面白くないというイタズラ。
 シュールさにSFのような設定を持ち込むのも彼らのやり方で、カラオケのコントは、ふたりでカラオケに行くと、さだまさしの曲(10分以上かかる曲もある)ばかり歌おうとしたり、やたらイントロが長くて歌いはじめまでに時間がかかる曲ばかり選ぶのを禁止しあうというコントだが、カラオケボックスと、外の世界の時間は別々に動いていて、カラオケボックス内の時間は凄く早く過ぎるようになっていて、外に出ると浦島太郎状態になってしまう危険があるという設定。
 カルチャースクールネタは、パントマイムを習いたい、オカリナを習いたい、ダンスを習いたいといった受講生が来ると、その場で教えるのではなく、講師がタイムスリップして受講生の過去を操作し、昔から習っていて、いまはベテランの腕前にしてしまうという設定。
 シモネタも増えた。最後のネタは、初体験を済ませた男のところに童貞が実態化して現れる。童貞は男から離れるのが惜しくて縋りつく、という、もうシュールを通り越したようなコント。
 『上司の本性』は、ビジネス出張で一緒に飛行機に乗った男の上司と部下の女性。あわや墜落事故に巻き込まれるという瞬間に上司はセクハラ全開で部下に迫る。
 そうかと思うと、進路指導の生徒から早稲田へ行きたいと言われ、それは君には難しいと言う。しかしその「難しい」は、早稲田までどのように行く交通機関を使って行くかが生徒には「難しい」という話になっていってしまう。
 今回は、コントトコントの間の着替えをステージを薄暗くして行っていた。女装するときの儀替えがまったく色っぽくないなど、かえって可笑しいかったのが印象的。

5月2日記

静かなお喋り 5月1日

静かなお喋り

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