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客席放浪記

The Geese 第11回単独ライヴ
トロピカリア


2016年6月29日
上野ストアハウス

 昨年5月の第9回、12月の第10回に続いて、このところ半年に一回の速いペースで単独ライヴをやっている The Geese 。会場も一定せず転々としてクタが、だいたい新宿とか下北沢といった若者の街。それが今回は上野ときて、意外な感じがした。私としては家から近くて助かるけれど。

 いつもどおりの、ちょっとシュールな新作コント9本。タイトルは例によって私が便宜上付けたもの。

『゛ボケ”の恩返し』
『クイズほとんど正解』
『広告の入る進学塾の授業』
『特許』
『ギャグザップ』
『レンタルDVDショップのジャンル分け』
『ダフ屋』
『経営コンサルタント・ショーン』
『ミュージカル進路相談』

 マニアックなジャンル分けをしているレンタルDVDショップ。『ダイハード』は「ハゲ」の棚。ブルース・ウィルスやジェイソン・ステイサムの映画は全部「ハゲ」の棚。『呪怨』は「白塗り」の棚。『シザー・ハンズ』も「白塗り」、『犬上家の一族』も「白塗り」、聖飢魔Uのライヴも「白塗り」。『パック・トゥー・ザ・フューチャー』はデロリアンだから自動車の棚。『恐竜物語』は、誰が観るんだろうの棚。アハハハハ。
 いつ隠し事がバレるのかのスリルが堪らなく気持ちがいいらしい経営コンサルタント。ありそうもない変な催し物のチケットを売っているダフ屋。授業料タダで授業中に入る広告収入で経営する進学塾。それにオチが秀逸なクイズ番組のパロディ。どれも適度にシュール。あまりシャールになりすぎない塩加減がいい。

 一番受けていたのが、やはり最後のコント。進路相談の教師と生徒。家業の開業医を継ぐと思われた成績優秀な生徒が、実は自分はミュージカル俳優になりたいと言い出す。それを止めようとする教師は、突然その理由をミュージカルにして歌いだしてしまう。これを、キッチリ歌い上げているところがすごい。照れてしまって、いい加減になりがちだと思えるこういうことを、しっかり稽古してきているのに好感が持てた。

 一発ギャグのコーナーは、今回はライザッブならぬギャグザップ。滑ったことでカロリーを消費しようというアイデアが可笑しい。

6月30日記

静かなお喋り 6月29日

静かなお喋り

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