トンデモ暴念会 2015年12月30日 浅草・木馬亭 立川談之助は、いつもどおり立川流の内部情報から。う〜ん、立川流はこれからどうなっていくんだろう。強いリーダーシップを持った誰かが現れるんだろうか? 噺は今年、談之助の禁演落語会でも聴いた『とんちき』。今やだれも知らないこの噺、骨格だけ残して、後半はやりたい放題、言いたい放題。もうオリジナルみたいなものだね。 今年の三遊亭白鳥は、美内すずえの『ガラスの仮面』を下敷きにした『落語の仮面』シリーズを五席も作った。その中から今日は『第二話』。例によって長い噺なのだが、「これからが面白くなるのですが」と、途中で切ってしまった。サブタイトルに『嵐の初天神』とあるのだが、『初天神』に達しない。どうやら聴きたい人は自分の落語会に来てということらしい。 瀧川鯉朝は『動物園』を基にして作り変えた『動物園!?』。某政治家の突然の死で、フリーターがその政治家の皮に入って(!)、成りすますアルバイトをするという噺。風刺が効いていて面白い。動物と同じで政治家っていうのも実態は何もやっちゃいない、誰がやってもできるってこと? 仲入り後、幕が開くと、真ん中に快楽亭ブラック、上手に瀧川鯉朝、下手に鈴々舎馬ること並んで座っている。馬るこの司会で口上が始まった。ブラック曰く、立川流を破門されて今まで来たが、このほど、瀧川鯉朝に弟子入りし、名前を瀧川クリ○○○と改名するになったとのこと。まあ、これは一種の悪ふざけ。お遊び。 鈴々舎馬るこの噺は、いわば『幇間腹』の後日談。懲りない若旦那が次に考えたこととは・・・。いやいや、トンデモでした。危なくて危なくて・・・。 快楽亭ブラックに『オナニー指南』という噺があるのは知っていたが、これ、野坂昭如の作だとは知らなかった。ブラックに言わせると、それをほとんど作り変えたそうなのだが。今年亡くなった野坂昭如の追悼を込めて・・・って、追悼になったのやら。 これで五人全員の落語が終わったのだが、まだ幕は閉まらない。先日二ツ目昇進が決まった、快楽亭ブラ坊がトリ。ブラ坊の新作はどうやら『湯屋番』の改作らしい。ぶらぶらしている若旦那が大日本プロレスにアルバイトに行くと、リングに上げられてしまうという噺。有刺鉄線を巻き付けたバットの攻撃を受ける。ミニチュア有刺鉄線バットを持ち、上半身裸になって高座で暴れまくるキワモノ的演出もトンデモらしい。ブラックに面白い二ツ目の弟子が誕生した。 12月31日記 静かなお喋り 12月30日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |