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客席放浪記

第75回トンデモ落語の会

2015年2月21日
なかの芸能小劇場

 今日は三遊亭白鳥が欠席ということで、快楽亭ブラックの弟子の快楽亭ブラ坊が一席。「トンデモネタなんて持っていません」と始まった『山号寺号』は、それでも十分にトンデモ。上野界隈のボッタクリバーのドキュメントが長々と入る特別版。いや〜、面白かった。そしてベンキョーになりました(笑)。

 先月の鈴々舎馬るこの会でネタ出ししておきながら、土壇場で心が折れてしまったそうで聴くことができなかった『鼠穴(現代版)』。まさかここで聴けるとは思っていなかった。遺産相続で土地建物の不動産を取るか、残された動産100万円を取るかで迷った兄弟。兄は動産100万円を選んで、その金を元手に会社を興して成功する。弟は不動産を手にするが、それを売却。代金5000万円になったものの、それを全部風俗で使い果たしてしまう。自分も何か商売を始めようと兄に元手を借りに行くと300円渡される。それを元に手書きの体験談を街角で売ることから初めて弟も成功する。そして10年後のある日、弟は兄のところに姿を現す。
 なるほど、うまく現代に持ってきたし、面白く聴かせようという工夫もなされている。ソープのドキュメントも入れ込んで退屈させないし、さらにもとの『鼠穴』よりも救いのある噺に変えてある。これは面白いなぁ。

 立川談之助は、マクラで立川談幸が落語芸術協会に移籍したことの、その後のことを語り、いまニュースで話題のイスラム教について語る『独断と偏見によるイスラム教トリビア』。いままでイスラム教なんて、まったく理解の外だったが、これはベンキョーになったなぁ。多分に冗談も入っているが、イスラム教をこういうふうな見方から入って行くと興味が持てる。

 快楽亭ブラックは、先日、大喜利替りに、「赤穂浪士47人の名前を言え」というクイズを出したところ、メンバーが一人も答えられなかったというマクラ。その後、弟子のブラ雲に「清水次郎長の子分の名前を言え」と言ってみたら、森の石松すら出てこなかったそうだ。そこから生まれたのが『道灌』を下敷きにした落語『石松』。森の石松がらみの雑学がたっぷり。楽しいし、これもベンキョーになった。

 トリは瀧川鯉朝。マクラも含めて喋ったことは忘れてくださいと言っていたので詳しいことは書きません。でも、マクラで言っていた、ある人物がブログで書いていたことに対する鯉朝の気持ちは理解できた。そしてそのあとの『子ほめ』の改作も、大変楽しませてもらった。アブネー噺ではあるけどね。アハハハハ。

 いろんな意味でベンキョーになる『トンデモ落語の会』。またベンキョーに行こう。

2月22日記

静かなお喋り 2月21日

静かなお喋り

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