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客席放浪記

第八回上原落語会夜の部

2017年3月5日
ムジカーザ

 去年の2月、桃月庵白酒と内田勘太郎のジョイントという企画を見せてくれた上原落語会。今年は、その白酒と、和歌山のギタリスト濱口祐自の組み合わせ。シークレット・ゲストが入ると書かれていたので、もうひとりサポート・ミュージシャンでも入るのかと思っていたら、林家彦いちだった。仲入りのあとで濱口とのジョイント企画があるという。さて、何が始まるのやら。

 まずは桃月庵白酒の一席目。『喧嘩長屋』。初めて聴いた。口喧嘩していた夫婦が、やがて手を出して殴り合いになり、止めに入った長屋の住民もこれに巻き込まれて殴り合いになる。なんだか西部劇の酒場の殴り合いのような噺。ひっぱたくのではなく殴るというところが凄い。白酒の太い腕から繰り出される拳固が手のひらに当たってバチンと鳴る音は迫力がある。

 濱口祐自のギター演奏。一曲目からボトルネックだったりして、ブルース・ギターだけの人かと思ったら、レパートリーは広範囲。曲と曲との間の短い喋りは、方言がきつくて、いまいちよくわからず。でもその感じがまた、いい雰囲気で、30分ほどのステージは、あっという間に終わってしまった。

 仲入り後は、林家彦いちが上がって、『睨み合い』。それに濱口が即興でギターを入れて行く。これが案外うまくマッチするから面白い。

 白酒二席目、『茗荷宿』。白酒で聴くのは二回目。これもあまり演じ手のいない噺。いろいろな茗荷料理が出てくるが、朝食に茗荷の開きっていうのが、やけに可笑しい。

3月6日記

静かなお喋り 3月5日

静かなお喋り

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