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客席放浪記

2012年2月28日ナカハチトーク『上野向いて歩こうsono3』(お江戸上野広小路亭)

 東京ボーイズでウクレレを弾いているナカハチこと仲八郎のソロライブ。今回はなんと落語。それも三席。

 仲八郎一席目は、被災地や老人ホームを慰問した体験談をマクラに、ちょっとブラックな『老人ホーム』

 二席目は立川談志がらみの内幕話をマクラに『芝浜さん』。 さん? カラオケ好きの芝浜一郎さんは、陸前高田で被災して会社が倒産してしまう。朝は新聞配達、昼は道路工事のガードマン、夜はスナックで、寝る間もなく、一生懸命働いている。ある朝、新聞配達の途中で道路に落ちている黒いアタッシュケースを拾う。中には現金が5000万円入っている。それを石巻出身の奥さんに見せると、奥さんはその5000万円を持って、どこかへ消えてしまう。果して、5000万円と奥さんははどうしたのか。芝浜さんはまた毎日新聞配達とガードマンとスナックで働き続ける・・・。きっとそういうことなんだろうなあと思う余韻を持たせながら、噺はサゲを迎える。いいなあ、この噺。泣ける。

 中入り後は、春雨や半平太。「熱が出て、どうもインフルエンザにかかったらしい。熱の治療には韓国が進んでいるというので、韓国旅行に出かけた。すると将軍様が現れた。なんで北朝鮮にまで来てしまったんだと思ったら、38度超えてた」 ネタは『風呂敷』

 三席目。『タクシードライバー』とネタ出ししてあったが、気が変わったらしくて『村長選挙』。ナカハチが故郷に帰ってみると村長選挙が始まるところ。もう何期も前村長が務め、今度も再任がきまっているようなもの。それでも形だけでも対立候補がいないとまずいということで、形だけの対立候補を頼まれたナカハチ。冗談で大きな公約を掲げてしまうと・・・。

 仲八郎、落語はプロではないので、芸としては荒い感じだが、三席とも噺として、うまく作られている。これで本格的に落語を習ったら・・・本職の落語家さん、ウカウカできないよ。

2月29日記

静かなお喋り 2月28日

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