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客席放浪記

わんVSにゃん寄席Vol.2

2014年11月22日
横浜にぎわい座

 柳家喬太郎『バイオレンスチワワ』は、2006年戌年の正月に、プーク人形劇場の新作落語の会でネタ下ろしされたもので、私もそのときに聴いている。それ以来聴いてないのも、喬太郎自身も滅多に演らない噺だかららしい。短い噺だから、マクラを長くしている様子が感じられて、「苦しんでいるな」と思う。それでも犬のことだけをマクラにして喋り続けてしまうのだからたいしたものだ。チワワという犬は世間一般にはカワイイ犬という認識があるみたいだけれど、私はどうも好きになれない。気が弱い犬だから、知らない人を見るとすぐに吠える。『バイオレンスチワワ』に出てくるチワワは、とてもカワイイ。それともう一匹野良チワワなるものが出てくるが、これが、辺り一帯を取り仕切る野良チワワのボスで肝が据わっているという設定。チワワという犬とその性格のギャップが面白い一席。

 春風亭百栄『ロシアンブルー』は奇妙な味わいの噺。落語好きの男が会場に行こうとして道を急いでいると、倒れている男性、迷子になっている猫、そして奇妙なオバサンに次々と遭遇。落語会に行かれなくなってしまう。この噺、どこへ向かおうとしているのか、ここまではさっぱり見当がつかなかった。噺はここから後戻りして行く構成が面白く出来ていて、「なあるほどね」となる。これは面白いなぁ。

 江戸家まねき猫の動物ものまね。今日はお得意の『河童の鳴き声』。架空の生き物である河童の声を、いろいろと検証してみせる面白いネタ。これはいつも思うのだけど画期的なネタだ。お父さんにも、お兄さんにもない巧みな構成力の傑作。

 春風亭百栄『バイオレンススコ』は、喬太郎の『バイオレンスチワワ』をヒントに作られた噺。野良猫集団の餌場の縄張り争いの噺。スコティッシュフォールド一族とアメリカンカール一族の対立を描くのだが、とにかくどちらもカワイイ姿が頭に浮かんでしまうから、そのギッャプがなんとも可笑しい。

 犬が出てくる古典落語は猫に比べて少ない。すぐに思い浮かぶのは『元犬』とか『鴻池の犬』くらい。そこで柳家喬太郎は、もう一席、新作落語を作ろうとしたらしい。それもまだ噺が出来ていないうちに高座に上がり、噺を作りながら喋るという綱渡りみたいな芸当。おそらく、捨て犬、奉公、幼なじみといったキーワードだけ持って高座に上がったのだろう。さすがに苦しいところもあるが、こういうのを聴くスリルというのは楽しい。噺がなかなか前に進まない、展開に無理がある。それでも40分どの落語にしてしまったのはさすが。つくづく、とんでもない人だと思う。私の観たのは昼夜興行の昼の部。夜の部ではもっとキッチリしたものが聴かれたのかもしれないな。

11月23日記

静かなお喋り 11月22日

静かなお喋り

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