よってたかって新春らくご2013 21世紀スペシャル寄席Oneday夜の部 2013年1月26日 よみうりホール 開口一番、前座さんは柳家さん坊で『つる』。例の北海道の実家の酪農の話、ドナドナがマクラ。前座修行頑張ってね。 春風亭百栄は、どうやら最近できたらしい新作『格安自殺ツアー』。自殺旅行を扱う旅行社があったらという話。ツアー・デスクで格安で自殺できるツアーをいろいろ紹介されるのだが、わざわざ海外に行ったり、余分なものまで買わせようとする自殺セットを売ろうとしたり。ブラックなんだけど、百栄がやると、なぜかホワホワと可笑しい。 そういえばダンカンが脚本・主演した『生きない』という自殺ツアーの映画があったっけなぁ。 柳家三三の『締め込み』は、とにかくおかみさんの亭主への愚痴というか、お喋りというか息継ぎもなく、ベラベラベラベラとまくし立てるところが圧巻。八五郎が「この野郎、昔の事を一言一句間違いなく言いやがって」と言いだす始末。女性は記憶力もいいが、口も男はかなわない。口喧嘩だったら男よりも一枚も二枚も上。 仲入り後は、ロケット団の漫才。四文字熟語、山形では・・・、といったこの人たちの定番ネタに、最近ははぐらかしネタというのが加わったような気がする。ドラマ『北の国から』と見せかけて北朝鮮とか。ヒーロー・インタビューのネタも、このはぐらかし。はぐらかす方がボケの三浦で、はぐらかされるほうがツッコミの倉本。現実にこういうはぐらかしを受けたら怒り出すよなぁ。 トリは柳家喬太郎『錦木検校』。マクラもなくスッと入る。風邪を引いているのか、声がちょっと嗄れている。それがこの噺にプラスに出たよう。正に鬼気迫るといった熱演になった。実際最後に、酒井雅楽になった角三郎のところへ行き再会を果たすところ、ふたりの気持ちが微妙に交錯するのがなんともまあ、いい場面だ。錦木が咳き込むところは圧巻。 どこまでが喬太郎の体調なのか、はたまた錦木の演技なのか判然としない不思議な緊張感があった。人気者で忙しい生活をしている喬太郎が本当に身体を壊さなければいいがと不安にもなった。無理しなければいいのだが。 1月27日記 静かなお喋り 1月26日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |