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客席放浪記

研精会OB連落語会三笑亭夢丸真打昇進披露公演

2016年2月18日
日本橋劇場

 去年の5月に真打昇進して、夢吉から夢丸になった、三笑亭夢丸の真打披露。もう十ヶ月もたってまだという感じだが、どうやらこれが、いよいよ最後ということらしい。いろいろ顔が広いと、アチコチでやらなくてはならいらしくて。

 古今亭志ん吉、「いつも研精会では多数派の落語協会ですが、今日は、まだ一之輔さんが来ていないので、楽屋は落語芸術協会の人ばかり。すごく心細いんです」。噺は『道灌』。前座時代に教わる噺だが、さすが二ツ目になると、こんな噺も達者にできるし、ひねった工夫も入って、笑いが取れている。研精会入りしただけの実力を感じるね。

 瀧川鯉橋は得意の『元犬』。オリジナルのサゲもすっかり馴染んできた。

 桂文治がこれまた得意の『平林』。なかで昔々亭桃太郎、林家彦六も登場する、ハイテンション・バージョン。

 昔々亭桃太郎も、お得意の『カラオケ病院』を持ってきた。やはり今日はお祝いということで、みんな笑いの多い得意ネタを出してきたというわけらしい。

 仲入りあとに恒例の口上。司会が鯉橋で、一之輔、文治、桃太郎が冗談混じりの口上を述べる。なかでも最後に順番が回ってきた桃太郎は待ちかねたように、夢吉は落語家になって30kg太ったとか、彼は毎晩血まみれの幽霊が出る訳アリの部屋に住んでいたとか、ウソのような本当のような話を次々と。アハハハハ。こういう口上をやらせると桃太郎は抜群に面白い。

 一足先に研精会を卒業した春風亭一之輔も、二ツ目時代から得意にしていた『加賀の千代』。甚兵衛さんもパワーアップした感じ。

 トリの三笑亭夢丸『茶の湯』。明るくハイテンションな芸風の夢丸にはぴったりの噺。初めてお茶をたててもらった定吉。アオキナコのお茶を見て「爪楊枝で子犬の絵でも描きたくなりますね」。

 真打披露もこれでピリオードの夢丸、いよいよこれから落ち着いて大看板を目指してもらいたいね。

2月19日

静かなお喋り 2月18日

静かなお喋り

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