April.5,2002 猫の尻尾でイタズラ

        ディズニーのアニメをあまり見たいと思わないのは、やっぱりあの絵柄だろう。これはアメリカン・コミックにも言えることなのだが、どうもあの西洋人臭い絵は引いてしまう。そこへいくと、同じディズニーながら、ピクサーの作るCGアニメは、キャラクターに人間がほとんど出てこないということもあるのだが、絵を見ただけで「かわいいなあ」と思って見たくなってしまう。今年の『モンスターズ・インク』では、2歳の女の子以外はみんなモンスター。このモンスターたちがまた実にかわいいのだ。女の子も、どこの国の子供とも見える不思議な顔立ちをしている。西洋人のようでもあり、アジア人のようでもある。これならどこの国の子供にも受ける。ピクサーの戦略はまんまと当たった気がする。

        この2歳の女の子ブーが最初に登場するのが、モンスターのサリーにくっついてモンスター・シティにやってきてしまうところ。どうもブーはサリーを大きな猫だと思いこんでいるらしい。実際に2歳の女の子の声を拾って画面に当てはめているから、何を言っているのかわからないのだが、ときどき「キティ」と言っているのがわかる。日本語字幕では、意味不明の記号の間に「ニャンコ」という字が入る。日本語吹替え版では「ニャンニャン」だ。このブーがサリーの尻尾を持ち上げては手を離すという行為を続けているのでサリーが気がつくというシーンだ。持ち上げられて手を離された尻尾は、床にドサッと落ちる。

        我が家に猫がいたときに、猫が寝そべっていると、私もよく猫の尻尾を持ち上げては落とすというイタズラをよくやった。アニメの少女もやるくらいだから、けっこう多くの人がこのイタズラをやっているのだろう。

        犬の場合はどうなんだろう。犬は飼主がやってくると尻尾で愛情を表現するから尻尾に力が入る。やってみたことはないが、犬の尻尾を持ち上げて放しても、猫みたいにあんなにドサッとは落ちないような気がするのだがどうだろう。

        猫はダラッと寝転んでいても、声をかけたりすると、尻尾をピクピクと動かしたりはする。ただ基本的には尻尾に力を入れない。尻尾に力が入るときは、飼主に擦り寄ってくるとき。高いところを歩くのにバランスをとるとき。敵に出会ったときに威嚇のために尻尾を膨らませるとき、といった特殊な場面だけなのではないか。普段は、その尻尾を持て余しているように思える。

        それにしても、猫のどの部分に触りたいかといって、尻尾くらい触りたいところはない。以前にも書いたが、猫の尻尾を足の親指と人差し指で挟むということは、きっと誰でもやっている行為だと思うのだがなあ。コタツに入ってゴロッと横になり、先に入って暖かくなっている猫で手をあっため、猫の尻尾を握ってウトウトしているというのが、私の大好きな時間だった。もっとも猫の側では尻尾をつかまれるのは迷惑だと思っているんだろうなあ。


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