July.28,2002 夏の夜

        暑い・・・。暑い夏がやってきた。

        今の猫はクーラーが好きなやつもいるようだ。そこへいくと去年死んだチェリーという猫は古風なやつで、クーラーも扇風機の風も嫌いだった。元来、猫は暑いところで生息していていた種族らしいから寒さには弱いが、暑さには結構強いはずだ。それでも、限度を超した暑さにはやっぱりこたえるらしい。夏になると「もうダメー」と倒れている。ドタッと倒れたままでいると、自分の体温で寝ていた側面の床が熱くなるらしい。寝返りをうって熱を避ける。ところがまたこの側面も熱くなる。ムクッと起き上がると、また二三歩トコトコと歩いてドタッと倒れる。そんな様子を眺めているのは楽しい。

        どうもこの時期、私は夜中に気がつくと布団の上で寝ていないことが多い。どうも夜中にトイレに行くようなのだ。そして、トイレを出たあと布団に辿りつけなくなってしまうらしい。寝室ではなくトイレを出たあと手近な部屋の畳の上や、廊下でそのまま倒れて寝てしまう。どうも布団の上よりも畳や板の間の方が冷たくて気持ちよく感じるらしいのだ。

        雄猫だったクロとかノラは、夜になると散歩に出てしまう習性があって、特に夏は家にいなかった。そこへいくと牝猫だったチェリーは、ほとんど家にいた。夜は私と一緒に寝るのが習慣。私はクーラーをかけたまま寝ると風邪をひくので、寝るときにはクーラーは切ってしまう。幸い我が家はクーラーがなくても眠れないほどのことはまずない。というわけで、私は夏の夜になると家のどこでもかまわず倒れて寝ているので、チェリーも私を追っかけて一緒に寝ているということになる。明け方に別の部屋で寝ているのに気がつくと、私の顔の前で、私とおんなじ格好でドタッと寝ているチェリーがいた。思わず笑ってしまうのだが、やっぱり眠気が襲ってきて、そのままやっぱり再び眠ってしまうという私でした。


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