April.23,2004 猫の正座



        馬券を買おうと神保町から水道橋に向かう途中の駐車場にいたやつ。日溜りにいるわけでもなく、どちらかというと日陰にポツンと座っていた。妙に眠そうだった。だったら、そんなところに座ってないで、もっと居心地のいいところに行けばいいと思うのだが、何を考えているのか、こうやってジッと座っていた。

        猫というのは、街の風景に溶け込んでいるが、よく考えると面白い存在だ。コンクリートの中から突然に現れる生物は鳥以外では猫くらいなものだろう。猫に興味の無い人は見過ごしてしまうだろうが、私はこういう姿を見ると、「おい、何やってんだあ」と、つい声をかけてしまう。

        こういうポーズを私は、猫の正座と呼んでいる。キチンと座って尻尾をクルリと前に回したポーズ。いかにも猫らしい。

        最後の飼い猫チェリーは、何か要求があると正座をして、盛んに「ニャー、ニャー」と訴えた。それがいかにも正式に訴えているという感じになるので、それに答えてあげたいという気にさせられる。ところが要求がわからない時というのもあって、餌をあげても食べないし、水を取り替えてあげても飲まない。ただ待遇改善を訴えているように思えるのだが、猫の待遇改善なんて具体的にどうしたらいいのかわからない。ただ話がしたいだけだっのかもしれないが、猫語は難解で最後までよくわからなかった。


このコーナーの表紙に戻る

ふりだしに戻る